【2026年6月県議会】日本共産党 浅野ふみ子県議 発議案への討論

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【2026年6月県議会】日本共産党 浅野ふみ子県議 発議案への討論

 日本共産党の浅野ふみ子です。日本共産党を代表し、発議案について討論を行います。 

 はじめに、「皇室の伝統に基づく安定的皇位継承を確保するための法整備の早期実現を求める意見書」についてです。 
 政府は6月30日の臨時閣議で、皇族数確保に向けた皇室典範改定案を決定し、衆院に提出しました。旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える、女性皇族が結婚後も皇室に残る―この二つを柱にし、養子に男の子が生まれた場合、皇位継承資格を有することを盛り込みました。 
 旧11宮家の男系男子で、配偶者と子のない15歳以上の男性を養子の対象とすることは、一般国民として生まれ育った人を突然特別な身分にし、憲法が禁じる門地による差別に当たります。1889年制定の旧皇室典範が「男系の男子これを継承す」と明文化し、現行の皇室典範はそれを引き継ぎましたが、「男系男子」という概念や語彙は明治以降に定着したものであり、古来には女性天皇が複数回にわたり即位したことは宮内庁のHPにも掲載されています。世論調査でも女性天皇に「賛成」は6~9割にのぼり、多様な性をもつ人々によって構成されている日本国民の統合の「象徴」である天皇を、男性に限定する合理的理由はなく、女性天皇・女系天皇を認めない改定内容は憲法に反することは明らかです。 
 そもそも、皇位継承全体会議では、参加した全13会派のうち7会派しか賛成していない内容を、衆参両院の正副議長が「立法府の総意」だとしてまとめました。その「総意」に基づくとして、政府から示された皇室典範改定案の要綱には、全体会議で議論していなかった婚姻後の女性皇族に住民基本台帳を適用する内容が記載されました。今まで議論していない中身が盛り込まれ、「立法府の総意」は完全に崩壊しています。 
 天皇の地位は憲法1条「主権の存する国民の総意に基く」とされ、憲法の精神に反する皇室典範改定を強行すれば、将来に禍根を残します。憲法に関わる重大法案を数の力で押し通すことはあってはなりません。 
 日本共産党は、日本国憲法の前文をふくむ全条項を守り、とくに平和的民主的諸条項の完全実施を目指す立場であり、憲法の条項と精神に基づいて、最初から議論をやり直すべきだと考えます。よって、本意見書案に反対します。 

 次に、「日本国の国旗の法的保護の充実を求める意見書」についてです。 
 国旗の損壊を処罰する法の制定は、幾重にも憲法の人権規定に反するものです。 
 憲法19条の思想および良心の自由に反します。思想および良心の自由は、個人の尊厳を支える基本条件であり、民主主義の前提となる権利です。国家などが「この思想を持て」「この信念を捨てよ」と特定の価値観を強制することを禁じています。 
 「国旗を大切に思う国民感情を保護するために」といいますが、国旗をどう評価し、どういう感情を抱くかは、個人の内心の自由です。国家を象徴する「国旗」を「大切に思う国民感情」を、刑罰を科すという強制的なやり方で広げようとすることは、民主主義とは相いれません。しかも、「日の丸」は、侵略戦争、植民地主義を行った「軍国主義」の日本と結びついており、「日の丸」への国民感情は多様です。 
 1999年の国旗国歌法の制定の国会審議で、国旗・国歌に対する「尊重義務」の規定は排除されました。当時の小渕恵三首相は「国家の威信の保護の在り方として刑罰をもって強制することは適当か根本的な問題がある」「国旗の損壊等を新たな処罰の対象とすることは考えていない」と述べていました。 
 さらに、国旗の損壊を処罰する法の制定は、憲法21条の表現の自由や、刑罰を科すにはどんな行為で処罰されるか明確でなければならないとする憲法31条の罪刑法定主義に反します。 
 表現活動に萎縮効果をもたらし過度の規制、当局の解釈と運用に広い裁量を与え、恣意的な適用を招きかねません。その結果、刑罰が弾圧の手段として用いられる危険性を内包します。また、私人による現行犯逮捕も可能であり、警察官や一般人の主観的判断で逮捕され、社会的制裁を受け、取り返しのつかない人権侵害を受ける危険性は重大です。思想信条の異なる市民同士が互いの言動を監視し合う社会につながりかねません。 
 そもそも、国旗損壊の事例は1987~2008年にかけて「焼損」や「引きずり降ろし」などの4件を「立法事実」の裏付けとされていますが、いずれも現行の器物損壊罪や暴行罪などで立件された事案であり、新たな刑罰法規の創設を正当化する根拠にはなり得ません。しかも、自己所有の国旗の損壊事例については、「承知していない」との国会答弁が繰り返されるなど、立法の前提そのものが成り立っていません。 
 諸外国における自国の国旗の損壊に関わる法制度は、それぞれの内容・考え方・背景は多様で一律のものではなく、「法体系上の均衡」は理由になりません。 
 国旗の損壊を処罰する法の制定は、民主主義の土台そのものを揺るがしかねない、重大な問題をはらむ違憲立法だと言わざるを得ません。 
 よって、本意見書に反対し、討論を終わります。