お知らせ
【2026年6月県議会】日本共産党 加藤英雄県議 主な議案・請願への討論
日本共産党を代表し、議案・請願の主なものについて討論を行います。
まず、議案第3号についてです。内閣府令の改正に伴い、保育士の配置基準などをさらに緩和しようとするものです。これまでも、保健師、看護師等のみなし保育士の配置特例を、2023年度からすべての保育所で適用可能とし、その上、今回は理学療法士や作業療法士などの専門職を保育士とみなし、人員基準に算入できるように緩和しようとするものです。
そもそも保育士と理学療法士などでは専門性が異なります。理学療法士が保育園で働く場合、主に発達支援や運動機能向上を目的とした運動・遊びの指導、保育士への専門的なアドバイスを行います。一方、保育士はゼロ歳児からの子どもの発達を促す遊びや学びなど、一人ひとりに合わせた保育計画を作成し保障する専門家です。保育士が足りないからと言って、専門性の異なる理学療法士などをみなし保育士とする数合わせなどすべきではありません。
保育士不足のそもそもの原因は、他産業と比べても著しく低い給与水準や、保育士一人でたくさんの子供を見なければならない配置基準の不十分さなど、保育士として働きたくても働こうと思えない労働環境の劣悪さにあり、長年「基準緩和」と「詰め込み」で、公的責任を投げ捨て民間・企業頼みの安上がりな保育を推進してきた自民党政治によるものです。
いまやるべきは、配置基準の緩和などではなく、政治の責任で保育士の確保とそのための処遇改善を行い、すべての子どもたちに質の高い保育を保障することです。よって議案第3号に反対いたします。
議案第4号は、後期高齢者医療財政安定化基金に、子ども・子育て支援金に係る拠出を行うための拠出率を規定しようとするものです。2024年の法改正で決められた、健康保険料に「子ども・子育て支援金」を上乗せして徴収する制度が今年度から始まります。医療保険料は医療給付の財源を確保するものであり、本来、公費で行うべき子育て支援の財源として医療保険料を引き上げるのは、そもそも「筋違い」です。国民健康保険料の現状が示す通り、医療保険料は逆進性が高く、新たな支援金の上乗せは、地域や加入する医療保険による保険料格差をさらに広げることになり、「子ども・子育て支援金」の上乗せ徴収は認めるわけにはいきません。
後期高齢者医療保険料は、今でも高齢者の暮らしに重くのしかかっています。2026年、27年の保険料推計額は、子ども・子育て支援分を含め、年額101,404円で、昨年比で1万7千円を超える新たな負担となります。
常任委員会審議の中で、県の基金残高66億円に対し、国から基金の基準として示されているのは26億円程度であり、全国では、保険料抑制のために30団体が、その基金を活用しているとの答弁もありました。いま県に求められているのは、いかに保険料の値上げを抑え、暮らしを支援するのかということです。基金の活用も含め、直ちに検討すべきです。
議案第5号は、企業局が、知事部局の指示に基づいて、成田空港周辺などで産業用地を直接整備するための「土地造成」事業が行えるよう、条例を改正しようとするものです
2016年に解散するまで、千葉県では企業庁を中心に大規模な土地造成・開発が進められてきました。高度経済成長期からバブル期にかけて、幕張新都心、かずさアカデミアパーク、成田空港周辺に産業の集積を図るという新産業三角構想を強力に進めてきました。しかし、バブルが弾け、残されたのは、年間予算を超える借金の山と、全国最下位クラスに固定化した福祉・教育の水準、巨大開発の傷跡である不良資産でした。なのに、さらに巨大開発に突き進み1000ヘクタールに及ぶ東葛北部・つくばエクスプレス沿線開発が進められてきました。しかし事業開始から30年、いまだ終息の見通しは立っていません。
土地造成事業の復活で、また同じ道を進もうというのか。千葉県は土木会社ではありません。住民福祉の増進を掲げる地方自治体であり、その本分に立脚すべきであることを強調し、本議案に反対します。
議案第17号は、自動車税環境性能割の廃止など、県税条例改正の専決処分の承認を求めるものです。
自動車税環境性能割は、自動車ユーザーが自動車取得の際、より環境性能が良い自動車に移行させるためのインセンティブとして、2019年自動車取得税廃止に伴い導入されたものです。取得段階において、環境性能に応じ段階的な課税を行うことができるため政策目的にも効果的なものでした。
今回の廃止の理由を、「米国関税措置がわが国の自動車産業に及ぼす影響を緩和し、国内自動車市場の活性化を速やかに図るため」としており、政府は自動車工業会の要望に応えたものだと説明しています。
廃止によって、自動車の脱炭素化を遅らせることにつながり、待ったなしとなっているCO2削減、地球温暖化対策にも逆行することにもなりかねず、本議案に反対します。
次に請願についてです。請願第74号は、政府に対し核兵器禁止条約への署名・批准を求める「意見書」の提出を求めるものです。
核兵器禁止条約が発効し、すでに5年が経過し、核大国の妨害にもかかわらず、禁止条約に署名及び批准をした国の合計は99ヵ国となり、国連加盟国の過半数におよぶ、世界のゆるぎない本流として発展しています。
しかし、本年の核不拡散条約・NPT再検討会議も、残念ながら成果文書を発出することはできませんでした。核不拡散条約は、米ロ英仏中の五大国だけに核保有を認め、他の国には禁じるという不平等な条約です。その一方で、第6条では核軍備縮小撤廃の交渉義務を定めています。今回の再検討会議の討論で締約国の7割以上が核保有国に対してNPT第6条にもとづく核軍備撤廃のための行動を求め、成果文書案にはNPT第6条とそれにもとづくこれまでの再検討会議の合意事項の再確認・履行が明瞭に書き込まれたことは大きな前進です。
日本政府は、「核抑止」論の呪縛から抜け出して、禁止条約への参加を決断すべきです。
日本が参加すれば、条約の道義的力、規範力はいっそう強まり、危機的な現状を打破する力になります。意見書の採択、提出を強く求め、討論を終わります。




