お知らせ
【2026年6月県議会】日本共産党 丸山慎一県議 一般質問
質問いたします。
最初に経済対策についてうかがいます。
いま商品パッケージの色や材質を変更したり、指定ごみ袋が買えなくなるなど「ナフサショック」というべき事態がすすんでいます。それでも政府は「必要量は確保できている」と繰り返すだけで、現場にモノがない深刻な事態が放置されています。千葉県の影響調査でも、「大いにマイナス」「ややマイナス」「今後マイナスの見込み」と答えた企業が93%、「利益が減少」との回答は77%となっています。知事は、こうした現場の状況をどう見ているのでしょうか。また、国の姿勢をどう評価しているのか、うかがいます。
医療や介護の現場では、手袋やガウン、点滴バッグなどが足りず、麻酔のカートリッジが入ってこないために、手術の日にちを変えたなどの影響が出ています。
農家もハウス用のビニールが手に入らず、問屋にも在庫がなく、メーカーに問い合わせたら、「中東情勢の影響で製造を見合わせている」との回答で頭を抱えています。コメ袋やラミネート品の値上げ通知が届いている農家もあります。建設業でも、塩ビ管や塗料・シンナーが入手困難との回答が半数以上にのぼっています。建設現場の初期の行程に必要な塩ビ管が手に入らなければ、工事自体が止まり、収入を得ることができません。「コロナの時より深刻だ」というのが共通の認識で、放置できない事態です。
今議会に追加で補正予算が提出されましたが、直接、ナフサ不足に対応するものにはなっておらず、とても現場の切実さ、深刻さに応えるものではありません。備蓄品の放出などすぐに現場に品物が届く手立てを取る必要があると考えますが、いかがでしょうか。全国知事会が5月29日、国に対して、無利子・無担保の融資制度などを求めましたが、機敏には動いていません。国に厳しく実施を求めるとともに、県としても「助成金」の実施などを検討すべきだと考えますが、認識をお聞かせください。
今回の深刻な事態を招いた原因は、アメリカによるイランへの軍事攻撃です。国連憲章を踏みにじる重大な国際法違反であり、ドイツやスペインなど同盟国の多くがそのことを指摘しています。ところが高市首相はこともあろうに「平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」などと持ち上げました。これでは戦争を後押しするようなものです。知事は、こうした首相の姿勢をどう見ているのか、お聞かせください。こうした事態が起きたときに政府がやるべきなのは、日本の立場を活かした外交で関係諸国に働きかけることだと考えますが、知事の認識をうかがいます。
次にエアポートシティ構想についてうかがいます。
昨年6月、成田空港の機能強化に合わせてエアポートシティ構想が公表されました。機能強化はB滑走路の延伸、C滑走路の新たな整備で年間発着容量を34万回から50万回に増やそうというものです。これによって騒音被害の範囲も大きく広がり、立ち退き件数も多数に上ります。加えて、3ヵ所に分散している旅客ターミナルを一体化させ、新たな貨物地区を整備するという極めて大規模な拡張事業となっています。千葉県ではこれにたいして、日本の産業競争力の強化と千葉県経済の活性化につなげるとして、空港に向かう鉄道アクセスの向上、道路ネットワークの整備、規制緩和、立地企業補助金、土地の造成など、至れり尽くせりの企業誘致策を進めようとしています。未来に向けて過大な想定を前提に基盤整備を進め、想定通りいかなければ莫大な無駄遣いとなります。その可能性について、どう考えているのでしょうか。
鉄道アクセスでは輸送力増強などがあげられ、京成電鉄はこれに呼応して今年2月、アクセス線の新鎌ヶ谷駅から印旛日本医大駅までの間を複々線にすると公表しました。その発表資料では、「複々線化計画は大規模な投資が必要であり、国、千葉県、成田国際空港株式会社などの関係者とともに、整備手法や費用分担等について、協議・調整を進めてまいります」としています。これについて、公表前に県への報告や相談はあったのでしょうか。京成電鉄の今年3月期連結決算は、営業収益が4・1%増の3324億円で、株主への配当を増やしています。こうした企業に公的支援はまったく必要ないと考えますが、お答えください。
道路ネットワークでは、北千葉道路と新湾岸道路が大きく位置付けられています。これまでの高規格道路の建設を見れば、県が直轄事業負担金などを数千億円単位で支払うことになるのは明らかです。しかし、ほんとに必要な道路なのかどうか、きちんとした吟味が行われていません。すべては成田空港のためと言わんばかりの道路政策でいいのでしょうか。お答えください。
千葉県の立地企業補助金は、本体が最高額70億円で、昨年度から「成田空港周辺」など5つの地域に進出するデジタルやバイオなど4分野の企業には、不動産取得税や法人事業税相当額が上乗せ補助されるようになりました。かつて茂原のIPSアルファテクノロジに千葉県が50億円もの補助金を提供しましたが、正社員は全員、日立からの転籍で地元の雇用は一人もなく、新たな雇用は全員が非正規でした。成田周辺で同じことが繰り返されない保証はどこにもないと思いますが、県の認識をお聞かせください。
これまで立地企業補助金は提供した企業名と補助額がすべて公表されていましたが、昨年度から件数のみに変えられてしまいました。担当課は「企業に不利益がもたらされる恐れがある」としていますが、公表していたときに不利益事案があったのでしょうか、お答えいただきたい。そういう事実もなく、「おそれ」などというどうにでもなる理由で、税金の使い道が隠蔽されるようなことになったら、いくらでも県民に隠し事ができるようになります。そんな県政でいいのでしょうか。知事の認識をお聞かせください。
今議会では企業局の事業に「土地造成」を復活させる条例改定が提案されており、県自ら企業用地の造成に踏み出そうとしています。しかし、かずさアカデミアパークも、幕張新都心の拡大地区も、千葉ニュータウンも、広大な土地が売れ残っています。想定通り進んでいない事業では、千葉港の長期構想も同じです。総貨物取扱量が、2013年の1億5094万トンから2047年には1億5932万トンに増えることを前提に、千葉中央ふ頭と出洲ふ頭の間の入り江を埋め立てて港湾用地を拡張し、岸壁や荷捌地、野積場等の再編が進められています。

現在、3分の1が経過しましたが、千葉港の総貨物取扱量は、増えるどころか減少しています。国際情勢も経済状況も1年先さえわからず、人口減少が急速に進むなか、拡張型の県政は見直すべきだと考えますが、お答えください。そもそも千葉県のような地方自治体の存在意義は、「住民福祉の増進」であって、企業の力を県民の暮らしや福祉、教育に生かしていくところにあります。そういう県政にしていくべきだと思いますが、知事の認識をうかがいます。
空港会社の用地取得が遅れているためC滑走路の供用開始のめどが立たなくなっています。会社は、土地収用制度の活用も必要と表明し、国土交通大臣も「必要性は理解する」と否定しませんでした。知事も記者の質問に、「状況を見てまいりたい」と回答を避けています。しかし2005年1月に再開した土地収用員会の会議では、「成田空港は扱わない」と確認されています。あくまでも地権者の意志にもとづく任意取得に徹し、強制収用はやってはならないと明言すべきだと思いますが、お答えください。
成田空港の機能強化にあたって、1972年の「取極書」に立ち返ることが極めて重要です。取極書は「三里塚平和塔奉賛会」と国、県、当時の空港公団によって結ばれたもので、「成田空港を軍事的に利用することは絶対に認めない」と明記されています。この間、装備品移転三原則が改定され、事実上、武器輸出が全面解禁されたもとで、成田空港では貨物ヤードが大幅に拡張される計画となっていますが、けっして空港が軍事利用される事態があってはなりません。取極書当事者の県として、どんな理由であれ軍事利用は拒否すべきだと思いますが、お答えください。
次に、「新たな地域医療構想」についてうかがいます。
85歳以上を中心に高齢者がピークに達する2040年頃を見据え、新たな地域医療構想の策定が進められています。まもなく国からガイドラインが示される予定となっていますが、まずは、10年にわたって取り組まれてきたこれまでの地域医療構想がどうだったのか、検証する必要があります。
いまの地域医療構想では、病院のベッドを高度急性期、急性期、回復期、慢性期の4つの機能に分類して、高度急性期と急性期を減らし、回復期と慢性期を増やす方向を打ち出しました。千葉県では県内の必要量を推計し、医師会や病院などによる医療圏ごとの調整会議で議論を進めてきました。しかし、高度急性期は1158床多すぎるとしてきましたが、さらに73床増え、慢性期は619床不足にたいして、57床しか増えていません。これは、地域医療構想が現場の実態とかけ離れていることを示しているのではないでしょうか。県の認識をお聞かせください。
病院はいまでも足りず、救急搬送は悪化の一途をたどっています。医療整備課がまとめた各年の9月と10月の合計搬送件数は、2012年の3万6438件から2023年には5万5044件へと1・5倍に増えています。

しかも、患者を乗せた救急車の行先が見つからず、現場に30分以上留まったままか、医療機関への受け入れ要請を5回以上した場合を「搬送困難事案」と呼んでいますが、搬送件数全体に占める困難事案の比率が11・7%から31・3%へ3倍に増え、件数は4266件から1万7210件へと4倍になっています。平均搬送時間も42分から53分に延び、30分未満が26%から8%へと激減しています。消防署の資料でも、心不全で重症の80代の患者が受け入れを拒否され、要請した医療機関は65ヵ所に達した事例が示されています。現場に3時間半もとどまり、結局、搬送先は埼玉県でした。また、呼吸困難になった70代の患者の要請先は48カ所、現場に5時間20分も留め置かれました。まさに命の危機です。ここまで受け入れ先が見つからない状況について県の責任をどう考えているのか、お聞かせください。
新たな地域医療構想は、この事態をますます加速させることになりかねません。これまでの「回復期」を「包括期」に変え、急性期に分類されていた地域一般入院料などを包括期に移す変更を行っています。また、病棟ごとの機能分類だけではなく、病院全体の医療機能を「急性期拠点機能」や「在宅医療等連携機能」など4つに分類して役割分担をさせる「医療機関機能報告」が新たに加わりました。これらによって、引き続き「入院病床の削減」を進めながら、病院ごとの役割分担を強力に推し進めることになり、医療機関の再編統合が加速するのは明らかです。しかしいま求められるのは、病床削減ではなく、救急搬送困難事案を解消し、いつでも気軽にかかれる身近な医療の充実だと考えますが、県の認識をお聞かせください。少なくとも、新たな医療構想に関して、強制的にベッドを減らしたり、病院再編を進めるようなことはやってはならないと思いますが、いかがでしょうか。
次に、教員不足についてうかがいます。
「学校に来てから帰るまで、椅子に座るのは食事の時の15分だけ」「一人、三役四役は当たり前」「仕事がありすぎて子どもと遊ぶなんて夢のまた夢」――これが教員の実態です。
この間、国の政令改正によって、年度当初から産休育休を取る場合、代替教員として正規教員を雇用することができるようになりました。これを受けて千葉県では今年度から毎年小学校80人、中学校28人、特別支援学校18人、5年間で合計630人の上乗せ雇用を進めています。これは一歩前進ですが、一昨年の産休育休取得者は小中特別支援で1226人に上り、まったく足りません。なぜ必要な人数の半分しか雇用しないのでしょうか。お答えください。
いま求められているのは、非常勤の臨時的任用教員を正規化して、教育現場の体制を安定させることです。茨城県では今年1月、知事が会見を行い、6年かけて1700人の臨時教員を正規化すると発表しました。教員と児童生徒との信頼関係が深まり、代替教員を探す負担が減り、学年主任などを分担でき、雇用の安定化と給与の向上が進むなど、子どもたちにも、学校にも、教員にも、メリットがあります。こうした思い切った改革を千葉県でも行い、原則として正規教員を配置すべきと考えますが、いかがでしょうか。
これを実際に進めていくためには採用試験への応募を増やさなければなりません。千葉県でも1次試験の免除制度がありますが、その条件は前年度の1次試験の合格です。しかし茨城県では、3年以上、県内でも県外でも、学校での勤務経験がある教員には1次試験を完全に免除しています。他にも、体育専科教員の枠を小学校にもつくったり、遠くへ転勤したくない人に地域限定勤務の特別選考も実施して、多数が応募しています。非正規でも、授業や担任を持っている教員の能力は試されずみです。思い切って受験資格を緩和して、正規教員を確保するべきだと思いますが、県教委の考えをお聞かせください。
次に県道の安全対策についてうかがいます。
千葉県内の交通事故の死者数は、昨年が122人、一昨年が131人となっています。船橋市内でも、県道市川印西線や千葉鎌ケ谷松戸線、県が管理している国道296号線など、2車線の狭い道路なのに、大型車が多数走っています。

歩道がなく、歩行者は側溝の蓋の上を歩かされ、路側帯も狭いため自転車も命がけの走行を強いられています。これらの道路は交通事故も多発しており、2022年からの4年間で、わずか合計6km区間で134件の事故が起きており、その中の1件は死亡事故で、大型貨物車が歩行者の後ろから衝突したものです。こうした道路が残されている現状をどう認識しているのか、お聞かせください。また、歩道整備や路面標示、信号処理など集中的な対策をとるべきだと考えますが、お答えください。
対策を進めるにあたって予算を確保することが欠かせません。道路の安全対策や道路維持、舗装道路修繕など生活に密着した事業について、15カ所の土木事務所から県庁本課への予算要望額は234億円ですが、実際に措置されたのは189億円で8割にとどまり、事務所が必要だと要求した事業が2割切り捨てられています。来年度以降は100%措置すべきだと考えますが、お答えください。
交通事故を防ぐには、信号機の整備も欠かせません。しかし設置数は、2016年度に全県で60ヵ所だったものが、2025年度は5ヵ所へと激減しています。市民などからの要望数は234ヵ所にも上っており、わずか2%しかついていません。
船橋市内でも、信号機のない横断歩道で夫が事故にあい寝たきりになっているという女性から、「信号があれば事故は起きなかったはずで、これ以上犠牲者が出ないために、信号機をつけてほしい」との要望が寄せられ、県警本部に要請しました。しかし、「渋滞が増える」などの理由で設置されませんでした。ところがまた、この場所で事故が起きてしまいました。横断しようとしていた男性は骨折などで重傷を負いましたが、最初の要請で信号機が付けられていたら、この事故は起きなかったはずです。事故が起きた横断歩道には信号機が必要です。人の命を最優先して、ぜひ設置すべきです。お答えください。また、信号機の設置件数を増やしていくために、予算を大幅に増額すべきだと考えますが、お答えください。
最後にデータセンターについてうかがいます。
この間、データセンターの建設をめぐって全国各地で住民との軋轢が生じています。県内でも印西市や白井市、流山市や柏市などで、住環境の深刻な悪化にたいして住民が声を上げ、裁判も行われています。突如として自宅の隣やすぐ近くに巨大なデータセンターが建設されることに対する住民の不安や不信は当然のことです。住民にとっては、毎日、生活している場で起きていることであり、巨大で異様な建物の建設は、我慢の限界を超えていることを物語っていると思いますが、県の認識をお聞かせください。
問題が多発しているのは、データセンターといういままでなかった構造物に対して考え方の整理や法整備が立ち遅れているからです。データセンターは建築基準法に位置付けられていませんが、事業者は「事務所」や「その他」として届け出ています。しかし、高さが50mを超えるのに窓がなく、大勢の人が働いているわけでもなく、人の出入りがほとんどなく、24時間巨大な空調が稼働し続け、非常用発電のためにガソリンスタンド20カ所分に匹敵する100万リットル規模の燃料を備蓄しなければならず、周辺の電気料金に影響を与えるほど電力を使用し、セキュリティ対策のために周囲にデータセンターであること自体を秘匿することもある。こんな事務所があるでしょうか。どう考えても「事務所」と認定するには無理があると思いますが、建築確認実施機関として県の認識をうかがいます。
データセンターについて全国で起きている住民とのトラブルを受けて今年5月、日本データセンター協会が「地域共生ガイドライン」を公表しました。そのなかには、「立地検討段階で自治体窓口へ報告」することや、「近隣住民に新設計画を周知」すること、また「電力消費量とその供給源、建物のデザイン等による地域の景観への影響、自然環境も含めた環境配慮への施策、災害時の安全対策」などを説明時の留意事項として上げています。しかしこれはガイドラインであって、義務付けられているわけではありません。こうした内容を条例などで義務化すべきではないでしょうか、お答えください。
以上で1回目の質問を終わります。




