【2024年2月県議会】日本共産党 みわ由美県議 議案請願討論

質問・発言

【2024年2月県議会】日本共産党 みわ由美県議 議案請願討論

 

 日本共産党を代表し、議案、請願の主なものについて、討論を行います。はじめに、議案第1号2024年度予算案についてです。何より求められるのは、実質賃金のマイナスや連続する物価高騰のもとで、いかに県民の命と暮らしを守り支えるか、という視点です。
 まず指摘したいのは、私立学校の経常費補助の県単独助成の上積みは1円も無し、据え置いたことです。私学振興、保護者負担の軽減を目的に、県はこの15年来、年度ごとに独自の上乗せを続けてきました。明らかに後退です。直ちに復活させるべきです。県の子ども医療費通院助成制度は、2010年度に小学3年生まで引き上げたきり、12年間も前進がありません。中学3年生まではとっくに全54市町村が引き上げています。今こそ決断すべきです。県内でも介護職員不足がきわめて深刻なのに、肝心の介護従事者の待遇改善のための県支援は、またもや一切盛り込まれていません。加えて、8年前までは、毎年100か所を超えていた信号機の設置数が年々削減、ついに新年度は9か所まで減らされました。大問題です。   
 その一方で、不要不急の大型事業には聖域なしで、予算がつぎ込まれています。例えば、北千葉道路関係は、純粋な県負担額が29億6100万円にもなります。しかも事業化されている成田市内の区間と外環道から市川市大町までの区間だけでも、2025年度以降に900億円程度の県の支出があることを県は認めています。その先も、全く未着手の大町から鎌ヶ谷区間の5・5km、鎌ヶ谷から船橋市小室までのあらたな自動車専用道路の建設、印西市から東側の4車線化など、北千葉道路だけでも相当な資金と時間がかかります。
 さらに県は、こうした高規格道路を「広域道路ネットワーク」と称して、県全体に広げようと、第2湾岸道路や千葉北西連絡道路、房総半島を一周する高規格道路、千葉県と神奈川県を結ぶ2本目のアクアラインである湾口道路も計画しています。すべて完成させれば、県の予算総額の何倍もの費用がかかり、何十年もの年月がかかります。そんな先の経済や物流の状況、人口の減少など、全く予測できるものではありません。このまま突き進むのは、あまりにも無責任な県政運営ではありませんか。よって、1号議案に反対します。
 なお、新年度から、教員不足解消に向け奨学金の代理返還を始めることは一歩前進です。しかしその一方で、新年度から「弾力的運用」の名のもとに40人学級を可能にする、などと県教委は通知しています。先生が足りないから40人学級でもよし、ということになりかねず、35人学級推進に逆行するものと、厳しく指摘しておきます。

 次に、議案第55号は、6月からフレックスタイム制を導入しようとするものです。原則4週間を単位とし、朝7時から夜10時までの間、本人の申し出により勤務時間を選択し、1週間に1日、週休日を設けることができるとしています。しかし、変形労働時間制、フレックスタイムが導入されたのが1988年、労働時間の管理があいまいになる、勤務時間がバラバラで職場内での連携が取れなくなるなどのデメリットが指摘されてきています。何より、労働基準法が定める1日8時間労働は、労働者の健康を保障し、長時間労働を禁じる制度です。この8時間労働制を崩すような制度の導入は認められません。 

次に、議案第78号は、2065年までとなっている首都高速道路の料金徴収期間を2074年まで延長することに対し、千葉県が同意するにあたって議会の議決を得ようとするものです。常任委員会では、2014年の15年延長のときの首都高速道路株式会社の増収分は約4兆円、今回の8年半延長では約2兆円とのことですが、其々の増収分の使い道を質しても、わからないとの答弁でした。しかも、2074年までの交通量の推計については、いっさい示されず、あまりにもいい加減すぎます。賛成できるはずがありません。

 次に、請願についてです。請願第23号は、最低賃金法の改正と中小企業支援策の抜本的な拡充・強化を求め、国へ意見書提出を求めるものです。全国一律、最低賃金時給1500円以上の実現は、物価高騰から暮らしを守る緊急の手だてです。また、国の優遇税制などで510兆円もの内部留保をためこんでいる大企業に対し、時限的課税をおこなえば、中小企業支援の抜本強化は可能です。暮らしに希望がみえる日本経済の再生のため、本請願の採択を求めます。

 次に、請願第24号は、国民健康保険制度の改善のため意見書の提出を求めるものです。国保は、非正規労働者、年金生活者など加入者の8割近くが低所得者や高齢者で、高い保険料のため、県内でも10万8109世帯7軒に1軒が滞納しています。ところが国は、国保の県単位化と共に、市町村が国保料の値上げを抑えるために行ってきた一般会計からの繰り入れを止めるよう圧力をかけ続け、やることが逆さまです。そもそも国が、国保財政への国庫負担を、給付費の57.5%相当から50%に減らしてきたこと等が、国保料引き上げの大元の原因です。公費1兆円を投入し協会けんぽ並の保険料にする、子どもの均等割り廃止を、国に求めるのは当然です。採択を求めます。

 最後に、請願第26号、27号はいずれも学校に先生がいない深刻な事態の解消と、とりわけ産休代替教員の早期配置を求めるものです。「国語の先生が不在で、週1時間は、自習」「教育に穴があいている」など、悲痛な訴えが寄せられており、未配置解消は待ったなしです。我が党はかねてより、教員採用選考の募集人員大幅増と、年度初めからの県単定数分の教員採用を提案しています。教職員の抜本的増員で未配置を早急に解消するため、本請願の採択をつよく求め、討論を終わります。