【2020年9月県議会】日本共産党 加藤英雄県議 一般質問

政策

【2020年9月県議会】日本共産党 加藤英雄県議 一般質問

◯加藤英雄議員 日本共産党を代表し質問いたします。
 はじめに知事の政治姿勢として陸上自衛隊オスプレイの木更津駐屯地への「暫定配備」について伺います。7月10日、16日と、陸自オスプレイ2機の配備が強行されました。将来的には17機を配備し、年間離着陸回数は4500回も増えるとしています。しかも、オスプレイの運用は、「木更津に現在配備している航空機と同様になる」とされ、防衛省は飛行訓練始めを10月に延期し、11月頃には広域での訓練を行うとし、来年度からは部隊の機動・展開訓練、新規要員の教育訓練も想定されています。そうなれば、木更津はもとより、長浦、土気、片貝、鴨川、鋸南町一帯の「空中操作空域」や、君津市からいすみ市以南の低空域飛行訓練場も、富津市の九十九谷、宇藤原、勝浦市大沢などの場外離着陸訓練場も、当然、訓練域に入ります。さらに習志野演習場や柏市の下総基地が加われば、まさに千葉の空をオスプレイが我が物顔で飛び交うことになるではありませんか。知事、千葉の空が一変し、県民は日常的に騒音や墜落の危険にさらされることになります。知事はどうお考えか、お答えください。
 オスプレイは2016年に沖縄沖で墜落事故を起こし、その後も2019年までに6件の重大事故が発生するなど、明らかに機体の構造上、安全性に問題を抱えていると言わざるをえません。なのに県は、安全性は防衛省が独自に確認していると、繰り返すばかりです。県独自にオスプレイの安全性の検証を行うべきではありませんか、答弁を求めます。
 8月23日の、木更津駐屯地に関する協議会では「騒音に対する不安や懸念の声が相次ぎ」と報道されるなど、住民はさらなる不安を募らせています。なのに防衛省の住民説明会は、いまだに木更津市だけにとどまったままです。5月には君津、富津、袖ケ浦の3市長と市原市長が詳細な説明を要請し、6月には船橋、八千代、習志野の3市長が、住民への説明も求めています。県民の安全に責任を負う県として、飛行地域となる自治体と住民には説明を行うよう、強く国に働きかけるべきではありませんか、お答え下さい。
 木更津駐屯地で、すでに稼働している米海兵隊オスプレイの定期整備に加え、米海軍オスプレイの整備も予定されており、さらに今回の陸自オスプレイの暫定配備が行われれば、明らかに木更津は日米共同のオスプレイの整備・出撃の拠点に変貌することになります。こんな憲法9条の立場に逆行するような事態を知事は容認するのか、見解を伺います。
今からでも、陸自オスプレイの配備の撤回、米軍オスプレイの定期整備能力拡大の撤回を求めるべきと思うが、どうか。お答えください。

次に、新型コロナウイルス感染症対策と保健所体制の強化について伺います。
 今月初め、知事は、新規感染者が減少傾向にあるとし、会食自粛要請を解除しました。しかしその後も30人台の感染者が連続し、加えて病院や県立高校、居酒屋、ラグビーチーム、建設現場などで、クラスターが次々発生するなど、予断を許さない事態が続いています。
 感染抑止のために、いま何が必要なのか。カギは検査の大幅拡大です。現在の感染拡大を抑え込むためには、大規模で網羅的なPCR検査を実施し、無症状者も含めた陽性者を隔離・保護する取り組みを大規模に行う以外にありません。
 厚労省は、この間、「自治体の判断」で、行政検査を拡大することは可能だという通知を相次いで発出しています。先月、全国知事会は「封じ込めに必要な濃厚接触者以外も含む幅広い調査」を求めています。知事、今こそ千葉県も、無症状者を含め「感染力」のある人を積極的に確認し、隔離する検査へと、これまでの方針の大転換をはかるべきではありませんか、お答えください。
 すでに、東京都世田谷区では、誰でもいつでも何度でもPCR検査ができる「社会的検査」へ踏み出し、千代田区では、介護施設の全職員を対象に検査を行うとしています。
 ところが千葉県ではどうか。先月、クラスターが発生した八千代病院でのPCR検査数は、発生1週間後でも全職員の2割程度に過ぎず、患者含めた約500名は検査対象から外していました。また、県幹部からは「(関係者らの)検査を早くやり陰性になって安心したらかえって大変」等と言う発言まで飛び出すなど、検査対象を絞り込んできたのは明らかです。こういう対象を絞り込むようなやり方は、もう改めるべきです。お答えください。
 感染者が出た施設や職場は、全関係者・全職員へのPCR検査をただちに行い、医療・福祉・教育施設などは定期的に検査を実施する、あわせて住民が、いつでも何度でも検査が受けられる体制を県独自にでも構築すべきです。あわせてお答えいただきたい。
 さらに患者を隔離・保護するうえで重要なのが軽症者用ホテルの整備です。しかしいまネックとなっているのが医師、看護師、支援員等スタッフの確保です。家庭内感染の拡大を防止するためにも県の責任で、スタッフを確保して軽症者用ホテルを整備し、十分な活用がはかられるようにすべきです。お答え下さい。
 感染症対策の最前線にたっている保健所について伺います。職員は土日返上で、住民からの相談、検体採取やPCR検査、入院調整や毎日の健康観察、濃厚接触者の特定や経路調査、クラスター対策などに忙殺され、時間外勤務はカロ一シラインを超え、人手不足は明らかです。何故こんな事態になったのか。1994年の法改正を機に県も国と一緒に保健所体制を弱めてきたことにあります。当時18あった保健所を13まで減らし、PCR検査を担う検査課までも減らしてしまいました。これが今の保健所の疲弊を招いている大きな要因ではありませんか。お答え頂きたい。
 日本医師会会長も保健所の「削減しすぎはよくなかった」と述べ、千葉県医師会からは「今、保健所のパワ一アップが必要」との声が出ています。県内の首長からも、保健所体制の強化を求める要望が出されています。未知のウイルスや感染症が今後も人類の生存を脅かすことは否定できません。保健所の役割は益々高まっています。そもそも保健所とは、「すべての生活部門について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」という憲法25条に基づき設置された住民の命と健康を守る公衆衛生の要だと思いますが、知事の認識はどうか。保健所の保健師や正規職員を大幅に増やすべきですが、どうか。廃止した検査課や保健所の復活増設も含め、感染防止と公衆衛生の充実強化に全力をあげるべきですが、あわせてお答えいただきたい。

次に、県立高校の校則、生徒心得などによる指導に関連して伺います。
 ある県立高校で、今年6月、学校再開直後、新1年生の女子生徒を待ち受けていたのは「頭髪検査」による、いわゆる「黒染め指導」でした。女子生徒は教師の指導に従い、自宅で母親とともに黒染めを施して登校しましたが、学校では、「黒染めが不十分」とされ、教室以外の別室で、教師4人に囲まれ、ビニールをかぶせられ、「黒スプレー」を噴霧されるという「指導」を受けました。翌日は女子生徒が黒スプレーを拒否したため、授業は受けられず、帰宅を余儀なくされています。女子生徒はこの時のことを「大人に囲まれて、怖かった」と、家族に話しています。
 これが、胸膨らませて高校に入学した、新一年生、15歳の女子生徒の人権を尊重した「指導」と言えるのか。まず、教育長の所見を伺います。
 学校・教師の「指導」に従った女子生徒の思いを、学校側はどのように尊重したのか。執拗な黒染め、黒スプレーによる、いわゆる「指導」には、教育上どんな効果があると考えるのか。昨年度、県立高校において「黒スプレー」なる「指導」を行った高校は何校か。指導対象となった生徒は何人いたのか。それぞれお答えいただきたい。
 集団における活動、運営には、一定のルールが当然必要だと私も思います。しかし、学校におけるルールは、児童生徒の人権を尊重し、主体性を育むなど、あくまでも教育的観点が求められるはずではありませんか。教育長の見解を伺います。
 現在の県立高校の校則、生徒心得には「人権尊重」という観点から逸脱していると思われるものが見受けられます、そこでいくつか伺います。
 1つには、ある県立高校の頭髪規程には「天然パーマの生徒は所定の届出を」と明記され、昨年度、いわゆる「地毛証明書」を74人が提出し、別の高校では113人が頭髪届け出をしています。持って生まれた身体的特質は千差万別であり、それは個性として尊重されるべきものではありませんか、なぜ「地毛証明」なる届出が必要なのか。お答えください。現在、県立高校において、いわゆる「地毛証明」を義務付けている高校は何校か、昨年度は、何人の生徒が届け出ているのか、お答えください。
 二つに、別な県立高校の規程には、服装、頭髪が不十分な場合、一旦「帰宅させて改善し、再び登校させる『再登校指導』を行う」と明記され、昨年度は頭髪で4件「再登校指導」が行われています。学校に入れない、授業も受けさせない、生徒の学習権を奪うような「指導」が学校現場で行われているのを、教育長は承知しているのか。現在、「再登校指導」を行っている県立高校は何校か、昨年度、指導を受けた生徒は何人か、お答えいただきたい。
 三つに、驚くことに、ある県立高校の生徒手帳には、服装について、男女とも下着(白)と明記されています。教育長、なぜ、下着の「色指定」が必要なのか。この校則による管理・指導にはどんな効果が期待できるのか、それぞれお答えください。また、下着の指定まで校則、生徒心得に明記している県立高校は何校あるのか、お答えいただきたい。
 いま全国的にも、校則、生徒心得のあり方が問われています。日本政府が子どもの権利条約を批准して、すでに25年。子どもの権利条約は18歳未満のすべての子どもを対象とし、条約全体を通して「子ども(生徒)は権利の主体」との位置づけが明確化されています。
「 子どもは権利の主体」として最大限尊重されることが必要だと思いますが、教育長の見解を伺います。生徒たちが1日の大半を過ごす学校のルールが校則であり生徒心得であります。ここにこそ子どもの権利や子どもの意見表明権が保障されることが重要だと私は考えますが、教育長はどうか、お答えください。
 関東近県においても、校則等の見直しの指導が行われ始まっています。「子どもは権利の主体」「子どもの意見表明権の尊重」を重視し、全県的に、生徒たちの意見、要求を取り入れた校則等の見直しに踏み出すべきではありませんか、お答えいただきたい。

次に、コロナ禍での災害対策、今回は、自主防災組織育成と避難所について伺います。
 猛烈な強風と長期の停電、豪雨による河川氾濫、土砂崩れなど甚大な被害をもたらした台風15号から1年が経ちました。いまだに、その傷跡は癒えません。今年も日本列島に強烈な台風が襲来しており、県民の命と財産、生業を守る災害対策は怠ってはならない。これに異論はないと思いますが、まず、知事の認識を伺います。
 防災・減災は、自己責任で対応できるものではありません。公助が役割を果たし、しっかりとした支援が行き届いて、初めて、自助、共助の取り組みが生きてくるものと思います。
 私は、先日、南房総市を訪問し、東日本大震災を契機に活動を始めた大井地区自主防災組織「かわせみ」の活動を伺い、大いに注目しました。
 約120世帯280人が暮らす大井地区は、昨年の災害時、電気、電話、道路が不通となるなど、事実上、孤立状態となりました。「かわせみ」は、集会所に災害対策本部を置き、保有している発電機や給水車をフル稼働。各家庭の米や食材を使って、連日約100食分の弁当を高齢者らに届けたとのことです。その時の教訓をいかし、安否や健康状態の確認、集落の情報取集、ソーラー発電による停電対策、防災無線整備、飲料水の確保など可能な限り自宅で生活できる支援をめざしています。「かわせみ」の芳賀事務局長は「災害は必ずくる。地域にあった、ひとりの犠牲者もださない防災計画、顔が見える日頃のつながり、高齢化のもとで地域の担い手づくりが重要」と強調されていました。その通りだと思います。そこで伺いますが、こうしたとりくみを普及し、自主防災組織を育成するため、県もイニシアチブを発揮すべきではありませんか、お答え下さい。
 南房総市は、独自に備品や施設の整備に補助金を交付しています。補助率2分の1、最大20万円です。市の担当者は「災害発生直後、行政からの支援がすぐに機能しない場合も予想される。予算の確保に努めている」と述べていました。県も、地域防災力向上総合支援補助金を2022年度まで延長し、今年度、1億円増額し2億5千万円予算計上しました。しかし県内の自主防災組織は5800を超えており、これで十分と言えません。自主防災組織が十分な備えができるよう、さらなる増額と恒常的な補助金制度を創設すべきと思うが、どうか、お答えください。
 新型コロナウイルス感染が蔓延しているもとでは、避難所確保や、その運営は、感染防止策との両立が極めて重要となります。すでに県内の自治体では、国や県の「手引き」に基づいて、消毒薬、体温計、マスク、フェイスシールド、段ボールベッド、パーテンション、飛沫防止テントなどの準備を始めていますが、市町村の財政的な負担は大変です。県が、「手引き」は示した、あとはそれぞれの責任でというのでは、避難所での感染防止に対する県の姿勢が問われるのではありませんか。避難所での感染防止に必要な資材購入などに支障が出てはなりません。支援を拡充すべきです。答弁をいただきたい。
 昨年の台風被害時の避難所開設は約800カ所、避難者数は2万5千人を超えました。避難所でのクラスター発生防止に最善を尽くすことは云うまでもありません。県の責任で保健所職員や医療関係者など専門スタッフを避難所に常駐あるいは巡回させ、感染拡大防止対策を徹底させる必要があると思いますが、どうか、お答え下さい。
 避難所は、感染防止の上からも体育館、公共施設だけでなく、旅館、ホテルなどに分散・小規模化させるとともに、可能なら自宅、知人宅などに避難することも必要となります。東金市では、高齢者6500世帯に、在宅避難に活用できるマスク、簡易トイレ、保温用シートなどの防災用品を配布するとしています。市町村とも協力して、避難所に来なくても支援を受けられる仕組みを構築するよう提案しますが、いかがか、答弁を求めます。

以上で、1回目の質問を終わります。

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◯森田健作知事 共産党の加藤英雄議員の御質問にお答えいたします。まず、政治姿勢についてお答えいたします。オスプレイの飛行訓練についての御質問でございますが、陸自オスプレイの運用に当たっては、地域住民の安全・安心を確保することが何より大切であると考えております。このため、県といたしましては、安全対策の徹底や騒音などの地域環境への配慮について、これまでも国に対し重ねて要請してきたところであり、引き続きしっかりと取り組んでまいります。次に、自主防災会、避難所への支援についてお答えします。災害対策についての御質問でございますが、頻発・激甚化する自然災害から県民の生命、身体、財産を守るために、自助、共助、公助が一体となり、災害に強い千葉県づくりを進めることが重要であると考えております。私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えいたします。

◯鎌形悦弘総合企画部長 私からは知事の政治姿勢について、オスプレイに関する4問についてお答えいたします。初めに、オスプレイの安全性についての御質問ですが、オスプレイの機体については、防衛省において十分な安全性を確保しているとの評価を示しているところです。オスプレイの飛行地域となる地元への説明についての御質問ですが、陸自オスプレイの運用に当たって、周辺地域などの理解を得ることは重要と認識しており、県としても、各自治体からの要請に対応していただくよう、国に対し要望しているところであります。オスプレイの配備と、その後のありようについての御質問ですが、陸自オスプレイは配備後、島嶼防衛に向けた迅速な輸送とともに、災害救援や離島の急患輸送でも役割を果たすものであると国から聞いております。最後に、オスプレイの暫定配備などの撤回についての御質問ですが、木更津駐屯地への陸自オスプレイの暫定配備などについては、国が安全保障について総合的に考慮し、責任を持って判断したものと考えております。県としては、これまでも国に対して安全対策の徹底など、重ねて要請してきたところであり、今後も木更津市と連携しながら、県民の安全・安心の確保に向けて対応してまいります。

◯石渡敏温防災危機管理部長 私からは自主防災会、避難所への支援についてのうち4問につきましてお答えいたします。初めに、自主防災組織の育成に関する御質問ですが、県では、自主防災組織のリーダーとして活動する人材の育成に努めており、消防学校・防災研修センターにおいて実践的な研修を実施しているところです。その中で参考となる自主防災組織の活動事例も紹介してまいります。次に、自主防災組織への支援についての御質問ですが、県では、市町村が行う自主防災組織の資機材整備や訓練などへの補助に対し、地域防災力向上総合支援補助金により支援を行っています。当該補助金は、期間を令和4年度までの3年間延長するとともに、今年度の予算を1億円増額し2億5,000万円としたところです。次に、避難所で必要な資材購入などについての御質問ですが、県では、地域防災力向上総合支援補助金により、避難所での感染防止などに必要な資材の整備についても支援を行っているところです。最後に、避難所に来なくても支援を受けられる仕組みについての御質問ですが、県では、避難所で行う物資や食料等の配布に際し、高齢者や障害者など、みずから受け取りに行くことが困難な方には、あらかじめ定められた支援者が個別に配布するなどの仕組みを構築するよう、市町村に助言しているところでございます。

◯加瀬博夫健康福祉部長 私からは新型コロナウイルス感染症対策についての4問につきましてお答えをいたします。まず初めに、保健所の体制及び感染防止と公衆衛生の充実強化に関する2問につきましては関連していることから、一括でお答えをいたします。保健所については、平成6年の地域保健法の制定によりまして、地域保健に関する広域的、専門的かつ技術的な機能を担うものとされ、住民に身近な保健サービスは市町村が実施することとされました。また、中核市による保健所設置を契機として、県内の公衆衛生検査体制の見直しの必要が生じたところでございます。こうしたことも含めまして、適宜組織の見直しを行いながら、健康危機管理を含む地域保健対策を推進してきているところでございます。今後とも、保健所が果たすべき機能や社会情勢の変化等を踏まえて、県民ニーズに的確に対応できるよう体制づくりに努めてまいります。次に、保健所に関する認識についての御質問です。保健所は地域保健対策の広域的、専門的かつ技術的拠点であり、地域の健康課題に関する検査や調査研究、市町村の支援等を行っております。加えて、新型コロナウイルス感染症など健康に大きな影響をもたらす感染症や食中毒、自然災害への対応など、地域における健康危機管理の拠点としての役割も担っており、県民の健康の保持増進や公衆衛生の向上のための中核を担う機関であると認識しております。最後に、保健所職員の増員に関する御質問でございます。保健所につきましては、これまでも社会情勢の変化に応じて必要な体制の整備を図ってまいりました。今回の新型コロナウイルス感染症対策に当たっても、感染者の発生に伴う業務の増大に対応するため、臨時職員の増員や応援職員の派遣などを行ってきたところでございます。今後も保健所が果たすべき役割などを踏まえながら、保健所職員の適切な人員配置に努めてまいります。

◯渡辺真俊保健医療担当部長 私からは新型コロナウイルス感染症対策についての6問と自主防災会、避難所への支援についての1問、計7問につきましてお答えをさせていただきます。まず初めに、検査の方針に関する御質問ですが、令和2年5月の国の新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領に基づいて、感染者の濃厚接触者等に該当する方は、無症状であっても全員を検査対象としています。その上で、検査結果が陽性で入院が必要な方に対しては入院勧告を行うほか、無症状や軽症者のうち一定の要件を満たす方に対しては、ホテルにおける療養も活用しているところです。次に、検査対象に関する御質問ですが、発熱等があり新型コロナウイルスの感染が疑われる方は、帰国者・接触者外来のほか、地域外来・検査センターやかかりつけ医においても医師の判断で検査を行っています。また、新型コロナウイルス感染症感染者と接触のあった方は、濃厚接触者に必ずしも限定せず、幅広く検査を実施しているところです。次に、感染者が出た施設や職場でのPCR検査に関する御質問ですが、県では、医療機関や福祉施設等で感染者が確認された際には、職員や入所者等の施設内での行動をもとに、同じフロアや同一の建物にいる方等、幅広くPCR検査を実施しているところです。次に、医療・福祉施設等における定期的な検査についての御質問ですが、県では、医療機関や福祉施設等で感染者が確認された場合には、クラスターになりやすいことから、必要に応じてクラスター等対策チームを派遣するとともに、幅広くPCR検査等を実施し、対応しているところでございます。次に、いつでも、何度でも検査が受けられる体制に関する御質問ですが、県では、国の通知に基づき、感染を疑うに足りる正当な理由のある方について幅広く検査を行っているところです。検査体制やその時期については、国の動向等を注視してまいります。次に、宿泊療養施設の活用についての御質問ですが、県では、軽症等の方々の宿泊療養施設の運営に当たっては、療養される方々の生活支援や健康管理などのために必要なスタッフを責任を持って確保しているところです。引き続き感染状況に応じて必要な施設やスタッフの確保に努めてまいります。最後に、避難所における感染拡大防止対策に関する御質問ですが、避難所における感染対策については、災害時における避難所運営の手引きの新型コロナウイルス感染症対応編で、詳細な対策を市町村に周知しているところでございます。このほか、市町村からの相談等に対して丁寧に対応し、必要な助言等を行ってまいります。

◯澤川和宏教育長 私からは県立高校における校則などによる指導についての計14問にお答えいたします。 頭髪指導についての御質問ですが、当該学校に確認したところ、生徒心得の脱色、染色は禁止との規定に基づき、違反のあった生徒に対し、黒髪に戻すよう指導し、所定の期間内にそれが行われなかったことから、本人の同意を得た上で、丁寧に頭髪指導を行ったとのことでした。次に、女子生徒の思いについての御質問ですが、学校からは、当該生徒が、後日、美容院で黒髪に染め直して登校してきた際に、みずからの意思で校則を守ろうとする姿勢について担任が認め、声かけを行ったと聞いております。次に、頭髪指導の教育上の効果についての御質問ですが、学校で集団生活を営んでいく上では、一定の決まりが必要であり、それを守ることの指導を通して、生徒が健全な学校生活を営み、よりよく成長することにつながるものであり、頭髪指導もその一環と考えております。次に、頭髪指導の実施状況についての御質問ですが、県教育委員会では、昨年度、頭髪用の黒スプレーを用いて指導を行った県立高等学校は、全日制22校、定時制3校であり、指導対象となった生徒は210人です。次に、学校におけるルールについての御質問ですが、学校で集団生活を営んでいく上では、一定の決まりが必要であり、それを守ることの指導を通して、生徒が健全な学校生活を営み、決まりをみずから守っていこうとする態度を養うなど教育的意義を有しております。次に、いわゆる地毛証明の届け出についての御質問ですが、いわゆる地毛証明は、天然パーマ等の生徒が、もともとの髪の状態で規則等に違反していないということを確認するために行われるものと承知しております。次に、県立高校における、いわゆる地毛証明についての御質問ですが、県教育委員会の調査では、昨年度、いわゆる地毛証明を求めた県立高等学校は、全日制92校、定時制2校であり、3,623件の届け出がありました。次に、生徒の学習権に関する御質問ですが、頭髪等が規則に違反している生徒に対し、十分な期間を設け、繰り返し指導を行った上で改善がなかった場合に、家庭で直してくるよう指導している例があることは承知しております。この場合、各県立高等学校においては、出席できなかった授業について、補習等の代替措置を実施しているところです。次に、いわゆる再登校指導についての御質問ですが、県教育委員会の調査では、昨年度、いわゆる再登校指導を実施した県立高等学校は、全日制30校、定時制1校であり、指導を受けた生徒は242人です。次に、生徒手帳で下着の色を指定することについての御質問ですが、当該学校に確認したところ、華美な服装とならないための指導の一環であり、落ちついた学校環境を維持することを目的としていると聞いております。次に、下着の指定をしている学校数についての御質問ですが、県教育委員会によると、アンダーシャツ等の下着について、デザイン等が派手なものでないこと、色については白地にすることなどを生徒心得等に具体的に規定している県立高等学校は、全日制11校です。次に、子供は権利の主体として最大限尊重されるべきものとの御質問ですが、校則の運用に当たっては、児童生徒が校則の内容や必要性について認識し、校則を自分のものとして理解した上で、主体的に守っていくよう指導を行うことが重要と考えております。次に、校則等に子供の意見表明権等が保障されることについての御質問ですが、校則等の見直しは、最終的には学校運営に責任を負う校長の権限として判断される事柄ではありますが、生徒会活動を通して生徒自身が主体的に考えたり、各クラスで生徒が話し合う機会を設けたりすることが望ましいと考えております。通信制を除く本県の全ての県立高等学校において、毎年行う学校評価の中で、生徒指導とこれに関係する校則等について生徒にアンケートをとるという取り組みが行われております。最後に、校則等の見直しについての御質問ですが、校則等については、生徒の実情や時代の進展等を踏まえ、絶えず積極的に見直す必要があると考えております。このため、各学校に対して、校則等の見直しに当たって、生徒が話し合う機会を設けたり、保護者からの意見を聴取したりするなど、生徒や保護者が何らかの形で参加した上で、最終的に校長の責任において判断するよう指導しているところです。

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◯加藤英雄議員 じゃあ第2問を行います。 まずオスプレイの暫定配備について。安全性については国が確認していると、これまでどおりの答弁でした。しかし、防衛省の説明資料を見ても、疑念を持たざるを得ない点が幾つもあるんですよ。例えば、2016年沖縄沖での墜落事故の際に、事故原因は困難な気象条件下で空中給油訓練を行った際のパイロットのミスとされている。

 しかし、一方でこう書いてあるんですよ。パイロットは給油活動を行う資格があり、事故につながる疲労やストレスはなかった。じゃあ何が原因なんですか。2017年のオーストラリア沖での事故についても、揚陸艦へ着艦する際にオスプレイのダウンウオッシュが船体に当たってはね返って、回転翼に当たって海に落ちた、これが原因だ。ここでも、パイロットはマニュアルに従っていた、搭乗員にも任務上の問題はなかったと言っているんですよ。

 何が原因なんですか。どう見てもおかしいでしょう。防衛省の説明もつじつまが合わない。この説明、県はどう受けとめています。県民に安全ですと胸を張って言うんであれば、お答えいただきたいというふうに思います。だから、やっぱり調査報告書や事故のときの対応など、県独自に検証すべきなんですよ。県が検証して、安全だというのが確認できたら、それを胸を張って県民に示す。安全性の担保がとれなければ、防衛省に物を申し、そして運用を拒否する。そのためにも独自の検証は必須の課題だと思いますが、なされるかどうか、お答えください。

 オスプレイが、これまでの訓練域を踏襲するとなると、県内の市街地と住宅密集地も飛び交うことになるんです。私の住む柏市の下総基地へ、昨年度、木更津航空隊所属の航空機の飛来実績を見ると、年27回来ています。年度末の3月は1カ月に6回飛来しているんです。この事実を県は承知していますか。これ、お答えください。3点目ね。それで、これまでの訓練域を踏襲するとなると、下総基地での飛行傾向というのも昨年と同様の傾向になる。これは確認したいんですが、いかがでしょうか、お答えください。

 それから、感染症対策と保健所の問題なんですが、感染症対策に取り組んできて8カ月たちました。この間、外出の自粛だとか、それから会食の自粛だとか、イベントの自粛、事業者には休業の要請、県民には次々お願いをしてきているんですけど、じゃあ、感染症をどうやって封じ込めるのかという県の明確な方策、方針、戦略が全く示されていないんですよ。

 幾つかお伺いしたいんですけど、まず、この8カ月の間に、今回のウイルス感染症の特徴が専門家筋からも明らかにされてきています。国立感染症研究所の病原体ゲノム解析研究センターが8月当初に緊急レポートを出しました。その中では、この間のウイルス感染症を分析して、こう言っているんですよ。この長期間、つまり5月、6月の感染者が少なかった期間、特定の患者として顕在化せず、保健所が探知しづらい対象、無症状陽性者が感染リンクを静かにつないでいた可能性が残ると分析しているんです。

 これは部長、御存じだと思うんですが、つまり、症状が出ない水面下にいる無症状の病原体保有者が感染の連鎖をつないできた。一方で、WHOも感染の4割が無症状者から起こるということを指摘しています。ということは、今度の感染症の特徴というのは、症状がなくても、日常的に私たちの周りにいる無症状者で病原体を持っている方々からも感染が広がるというのが、1つの特徴としてあらわれてきたと思うんですが、部長の認識はどうか。

 そうなれば、表に出ない水面下の無症状感染者をいかに見つけ出すのか、そして隔離、保護するのか、これが今度の感染症を抑え込む鍵になるというふうに私は見ているんですが、部長はどうお考えか、お答えください。そこで、考えなければならないのは、これまで県が保健所を中心に行ってきた感染源対策、疫学調査なんです。私は疫学調査を否定するものではありません。しかし、これまでの対応というのは、有症者、症状が出た方を基軸にして、そこを基点にして、その周りの、いわゆる濃厚接触者を中心に抑えていく方法だったんです。しかし、考えてください。これでは病原体ゲノム解析研究センターが言っているように、水面下の無症状感染者を見つけ出すことは困難だというふうに思うんですが、これはいかがか、お答えいただきたいというふうに思います。

 じゃあ、その感染抑え込みのために、今何をやらなければいけないのか。方策はただ1つです。アメリカのニューヨーク州の例などが新聞、テレビでも報道されていますけれども、潜伏している無症状の感染者を見つけ出すための徹底した検査の網を広げる、網をかける、こういう手だてをとる以外にないというふうに思いますが、いかがでしょうか。それから、そのために厚労省も、この間、不十分さはあるものの、一歩前進をしてきて、第1問でも述べましたが、検査の拡充は自治体の判断でできるというふうにしてきました。ということは、確認したいんですが、県がその気になれば、積極的疫学調査とともに、県独自に検査を拡大する、範囲を広げる、戦略的方向を明確にするというのは可能だと、これが現時点の到達点だと思うんですが、これは部長はお認めになりますよね。そうなると、今必要なのは、これまでの延長ではなくて、積極的な検査を広げる、感染を抑え込む、その戦略を明確にして県民に示して、県民の協力も得て、一緒に感染拡大を抑えていく県の姿勢が必要だと思いますが、いかがか、お答えください。

 それから、保健所については、部長のほうから、地域の健康管理の上で欠かすことができないという答弁がありました。私、やっぱり県独自に人口20万人に1カ所など、設置基準を明確にして、全県的に地域の健康観察ができるような保健所体制を構築する、増設する、拡充する、これが必要だと思いますが、検討なさるかどうか、お答えください。

 それから校則、生徒心得による指導についてですが、教育長の答弁だと、生徒の同意をとれば何をやってもいいみたいなふうに聞こえるんですよね。それでいいのかどうかというのも含めてお聞きしたいんですけども、まず頭髪規定。私が120校を全部チェックした範囲では、少なくとも県立高校全日制15校で明確にツーブロック禁止と書いてある。襟足もサイドも刈り上げる、熱中症対策最適ですよ。これをなぜ禁止するのか、理由をお示しください。

 それから、29校の服装規定、頭髪規定には、前提として、高校生らしい身なり、高校生にふさわしい髪型、極めて抽象的な表現があります。高校生らしい、高校生にふさわしいというのはどういうことか示してください。これは何をもってそれを判断するのか、その基準もあわせてお示しください。それから、もう御承知だと思いますが、東京都が昨年の9月に、この生活指導に関して、人権尊重の理念に立った生活指導の在り方についてという通知を全学校長に発出しています。これに関連して幾つか伺います。東京都は冒頭、こう言っています。問題行動に対する指導も含め、全ての教育活動は、生徒の人権の尊重を基本として行う。これは東京なんですが、この全ての教育活動は、人権の尊重を基本にする、これは千葉県でも堅持すべき基本的立場だと思うんですが、教育長の認識はいかがでしょうか。

 それから、都教委の通知では、指導の際には、校則を機械的に運用することなく、生徒の状況をよく見なさいというふうになっています。これも千葉県で行われていると思いますが、どうか、お答えいただきたいと思います。都教委の通知の3つ目なんですが、いわゆる地毛証明について、昨年、ことしと2回にわたって都教委では学校に通知を出しています。地毛証明の届け出提出は任意であるという通知を出しているんです。任意だというそのことを生徒、保護者に明確に伝えるとしているんですね。千葉県の地毛証明の届け出は任意なのか、それとも強制力を持って従わなければならない規則として運用されているのかどうか。その辺のところをお答えいただきたいと思います。

 以上で2問終わります。

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◯鎌形悦弘総合企画部長 まず、オスプレイの事故関連についての県の受けとめということでございますが、そういった事案等が発生した際には、常に防衛省に対しまして、原因究明や再発防止等、そういった迅速な情報提供などについて要請をしているところでございます。それから、独自の検証ということについてですが、オスプレイの安全性につきましては、防衛省において導入の検討過程のみならず、導入が決定された後についても十分な安全性を確保しているとの評価を示しているところでございます。それから、訓練の空域についての御質問でございますが、これにつきましては防衛省に確認しておりますが、まだ決まっていないということでございますので、その点についてはお答えが難しいというところでございます。

◯渡辺真俊保健医療担当部長 無症状者が感染を拡大していっているという御認識については、私どももそのような認識は持っているところでございまして、検査についても、検査ができる場所を順次拡大していっているところであり、先ほど答弁でも申し上げさせていただきましたけれども、地域外来・検査センター、かかりつけ医等での検査ができるようにしてきているというところでございます。有症状者を中心に検査をしていくということに関してですけれども、有症状者を基点に検査をしていくということは、現時点では、原則としてそのような対応というふうに思ってございますけれども、国の動き等を着目していきたいと思います。これまでの延長線上ではなくて、検査をさらに拡大していくべきじゃないかという御質問だったかと思いますけれども、そのような必要性なり要望は認識しているところでございます。今後とも、国の動き等を注視するなど、対応していきたいと思ってございます。

◯加瀬博夫健康福祉部長 保健所の体制に関する御質問でございます。保健所につきましては、引き続き社会情勢の変化に応じまして、適宜組織の見直し等の体制整備を図り、県民ニーズに的確に対応できるように努めてまいります。

◯澤川和宏教育長 私からは再質問7問についてお答えいたします。まず、校則に基づく指導で、生徒の同意があれば何をやってもいいのかという御質問でございます。校則については、必要かつ合理的な範囲で定めることができるというふうにされておりますので、校則に基づく指導も当然必要かつ合理的な範囲と考えております。本県の頭髪指導につきましては、もともとの生徒心得の規定に基づき、あらかじめ指導し、かつ所定の期間にそれが行われなかった、改善が行われなかったということをもって、本人の同意を確認した上で行ったものと承知しております。続きまして、頭髪のツーブロックについての規定でございます。校則、生徒心得等に何を規定するのかということについては、一律に決まるものではなくて、学校の特色であるとか地域、または生徒の事情に応じ決められると考えております。したがいまして、この学校もそういった事情を判断した上で、最終的に学校の運営の責任者である校長が判断したものと理解しております。あと、続きまして校則等における高校生らしい、高校生にふさわしいということと、何をもって判断するのか、判断基準は何かということについては関連いたしますので、まとめて答弁をさせていただきたいと思っております。高校生らしさというものは、全国一律、全県一律にあるものではございませんで、先ほど申し上げましたが、各学校における生徒の事情であるとか、また地域の状況、地域の特色、またはそれぞれの学校の校風、特色と、さらには学校の教育目標といったものを踏まえて判断するんだろうと思います。その際には、生徒や保護者の意見も聞きながら、最終的には校長が判断するものと考えております。あと、人権を尊重ということについては、本県においても同様と考えております。あと、生徒の状況を見てということでございます。生徒指導につきましては、この校則、規則等に違反した生徒について、個々の事情に十分に留意し、また、生徒自身の内省を促し、主体的に行動ができるように指導するとなっておりますので、いたずらに規則のみをもってということではなく、あくまでも個々の生徒に着目した生徒指導が行われるべきと考えております。あと最後、地毛証明についてでございます。先ほど申し上げた趣旨でございますが、申し上げたとおり、天然パーマ等の生徒がもともとの髪の状態で規則等に違反しないということを確認するために行われるということで、生徒指導上のさまざまなトラブルというんでしょうか、そういった行き違いを回避するために、学校側、生徒側双方にとって有意義なことと考えております。強制義務というものではございませんが、地毛証明が適切に行われ、届け出がなされるということは重要なことだと考えております。

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◯加藤英雄議員 もう時間がありません。昨年の災害からことしのコロナ感染の広がりの中で、私たちに今何が問われているのか。このままの国政や千葉県政でいいのかというのが、率直に言って問われているというふうに思います。県民の命と健康、暮らしを守る、ケアに手厚い県政に今転換することが何より必要だというのを強調して、質問を終わります。