お知らせ
【2026年9月県議会】日本共産党 丸山慎一県議 発議案への討論
日本共産党を代表して、自民党から提出されている発議案第3号「千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例改定案」に、反対の立場から討論を行います。
反対する理由の第一は、選挙区ごとの最大較差が2・85倍という大きなものとなっていることです。自民党案の場合、議員一人当たりの人口が最も小さい選挙区は、勝浦市・いすみ市・夷隅郡選挙区で、これを1とした場合、最も較差の大きな選挙区は、習志野市選挙区で2・85倍になります。習志野市の有権者の1票にたいして、勝浦市・いすみ市・夷隅郡の有権者は3票近く持っているのと同じことです。
憲法14条では「すべて国民は、法の下に平等」と定められており、有権者一人一人が持っている選挙における1票の価値も、当然、憲法の定めに従って平等にする必要があります。すべての有権者があらゆる選挙で、一人一票に限定されているのも、投票する票の影響力が平等になることを前提としているからです。
こうした立場から、衆議院選挙の場合は選挙区画定審議会設置法第三条で、区割り案を作成するときに、「各選挙区の人口の均衡を図り、各選挙区の人口のうち、その最も多いものを最も少ないもので除して得た数が二以上とならないようにすること」――つまり選挙区ごとの較差を2倍未満にすることが義務付けられています。
もちろん、県議会議員選挙の場合、国と地方の制度の違いや自治体としての役割り、法律で定められている選挙制度の違いもあるため、そのまま引き写すことはできません。しかし、「法の下の平等」という憲法の定めにそって「1票の較差は最小限に抑える」という精神に立つのは当然のことです。これに従えば、較差の基準は2倍未満とすべきであり、1人に2票以上を与えるに等しい格差2倍以上は認められないという考えは、極めて自然なことです。実際に、今回の定数検討にあたって自民党以外の会派から出された改定案はすべて較差を2倍未満としており、努力すれば実現できることを物語っています。
一方、自民党は前々回の2019年県議会議員選挙に向けた定数改定の議論のなかで、最大較差2・44倍の定数区割り改定案を提案し、これが成立しました。4年後の前回、2023年選挙での自民党案は2・69倍でした。そして今回の改定案は最大較差が2・85倍にもなる案を提出しています。2・44倍、2・69倍、2・85倍と、選挙を重ねるたびに較差が拡大し、いまや3倍に届きそうな勢いとなっています。これでは、較差を縮小する努力さえ放棄している言われても仕方ありません。
反対する理由の二つ目は、逆転選挙区の存続です。今回の改定では第1回目の検討委員会で4つの検討項目が委員長から提案され、その一つが「逆転選挙区の取り扱い」でした。二つの選挙区を比べて、人口が多い選挙区の方が、定数が少ないという誰が見ても不合理で不公正なものであり、検討対象にして解消していくのは当然のことでした。直近の国勢調査の結果でみると、八街市選挙区にたいする銚子市・東庄町選挙区と勝浦市・いすみ市・夷隅郡選挙区、袖ヶ浦市にたいする銚子・東庄および勝浦・いすみ・夷隅郡の4組です。ところが提出された自民党案では、4組ともそのまま温存することになっています。このことについて自民党は、「全国都道府県議会議長会で地方の過疎化を踏まえた議員定数を確保するための方策について調査研究を進めているので、今回の見直しは最低限とした」と検討委員会で説明しました。全国議長会では有識者による研究会を設置して、今年7月に人口が少ない地域の議員定数を確保するための方策について報告書をまとめ、それをもとに、全国議長会として7月22日に決議を上げています。しかしそこで言われているのは、人口比例原則の緩和や強制合区制度に裁量を加えるというものであり、憲法上の要請である「投票価値の平等」を崩すものではありません。ましてや、逆転区のような明らかに平等の原則に反する状態を容認するものでないのは明らかです。自民党は見直しを最低限としたと言いましたが、最低限の見直しさえやっていないのが自民党案です。
反対理由の三つ目は、定数1の選挙区が11カ所も残されていることです。自民党案では選挙区の数は41のままで、定数1の選挙区は4分の1を超えています。定数1というのは一人しか当選できないため、得票数が最も多かった比較第1党が議席を独占することになり、多くの民意が切り捨てられます。現に、2023年4月に行われた前回の県議会議員選挙の結果を見ると、30カ所ある定数2以上の選挙区の定員合計は84人ですが、のちに自民党に入った議員を含めても、自民党の獲得議席数は42議席で議席占有率は50%、ちょうど半分です。ところが、11カ所ある定数1の選挙区では、自民党が実に10議席を占めており、議席占有率は90%、ほぼ独占状態です。これを見ただけでも、いかに定数1の選挙が民意をゆがめるものとなっているかは明らかです。そういう選挙区が11カ所も残されている条例改定案に賛成できるはずがありません。
県政の主権者、主人公は県民です。県民の意思で県政が動かなければなりません。そのためには、県議会の構成が、民意を鏡のように映すものでなければならないのは当然のことです。少数意見も含めた民意を正確に反映させるために、それにふさわしい定数を確保すること、1票の較差を可能な限り少なくすること、定数1の選挙区は極力なくして一つの選挙区の定数をできる限り増やしていくこと、これらは民意を反映するための絶対条件です。
一部に総定数を減らすことを是とする議論がありますが、県議会の議席は議員のものではなく県民のものです。議席を減らせば、それだけ民意を反映しづらくなり、少数意見から切り捨てられます。それは、過疎地の声を反映させるという主旨にも反します。財政的なことを言えば、議員定数を1割減らすのも、議員報酬を1割減らすのも、財政効果は同じです。「身を切る改革」という議論をするのであれば、民意を削る議席数の削減ではなく、議員報酬の削減を議論の俎上に乗せるべきです。
以上の立場から、日本共産党は、総定数95を維持したまま、現行の41選挙区を法律の許す範囲で極力合区して、最大較差1・87倍、定数1の選挙区はすべて無くすという案を定数検討委員会に提出しました。こうした方向への努力こそ、いまの千葉県議会に求められていることを指摘して討論を終わります。



