【2020年12月県議会】日本共産党 加藤英雄県議 議案・請願討論

政策

【2020年12月県議会】日本共産党 加藤英雄県議 議案・請願討論

日本共産党を代表し、議案、請願の主なものについて討論を行います。

 まず、一般会計補正予算案についてです。議案第1号と、本日示された議案第32号の補正予算案には、感染症患者を受け入れている医療機関への更なる支援や、中小企業への融資枠の引き上げや、預託金の増額、そして時短営業自粛事業者への協力金の支給などが盛り込まれており、これらにわが党も異存はありません。

 しかし、感染急拡大、「第3波」を目の当たりにしたいま、これでいいのか。きわめて不十分だと言わなければなりません。

 では何が必要なのか。県が危機意識をもって積極的検査戦略を確立し、市町村とも協力し、面的検査へ踏み出す、「誰でも、どこでも、何度でも、無料で」検査が受けられる仕組みを構築することです。

 昨日、日本医師会や日本看護協会などの医療関係9団体が共同記者会見を行い、感染拡大に伴い、通常の医療を提供できない恐れがあるとする「医療緊急事態宣言」を発表しました。会見に臨んだ、日本医師会の中川会長は、感染拡大で「日本が誇る医療制度が風前のともしびになっている」と警告し、「勇気をもって早め早めの対策を打ち出してほしい。万全の感染対策が最強の経済対策になる」と述べています。

一方、注目すべきは、 厚労省へ専門的・技術的な助言を行う「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」の指摘です。「第3波」の兆しが見え始まった、11月24日、「潜在的なクラスターの存在が想定され、感染者の感知が難しい、見えにくいクラスターが感染拡大の一因となっている」と感染状況を分析し、また、直近の12月9日には「社会活動が活発な世代での2次感染が…多くなっており、感染しても無症状あるいは軽症のことが多いため、本人が意識しないまま感染拡大につながっている」としています。

 いま求められているのは、2次感染を引き起こす、見えにくい水面下の無症状病原体保有者を、いかにして特定するのか、そして隔離・保護していくことです。従来の感染経路を追いかける、積極的疫学調査に加え、感染者の多い地域での一般市民をも対象とした、大規模で集中的な検査を行う「面的検査」と、施設などで定期的に行う「社会的検査」へと県の責任で踏み出すことです。

 さらに加えて言うならば、5月に施行された「新型コロナウイルス感染症に係る臨時の医療施設の開設等の迅速化及び円滑化に関する条例」に基づいた、実効性のある対応が、いよいよ必要になってきていることを申し添えておきます。

 次に請願についてです。

 請願第28号は、武器見本市の会場に幕張メッセの使用を認めないよう求めるものです。幕張メッセではこれまで、3回の武器見本市が開催されています。昨年の6月と11月には、会場前で、多数の県民が抗議の声を上げています。1994年県議会において決議された「非核平和千葉県宣言」には、「戦争という手段によらず紛争を解決する道を追及する」と明記されおり、県有施設を使用しての武器の展示や商取引など、到底認められるものではありません。本請願を採択し、県議会が「宣言」で掲げた平和の理念を示そうではありませんか。

 請願第29号、第31号は、少人数学級の拡充など、教育予算の大幅増額と教育条件整備のさらなる拡充を求めるもので、合わせて、58,800余の署名が提出されています。請願の中心的項目である、少人数学級導入をめぐる情勢は、ここへきて劇的な変化、広がりを見せています。5月、日本教育学会は、10万人の教員増による少人数の学習集団へ再編成をとの提言を発表。地方3団体、全国知事会、市長会、町村会は連名で「少人数編成を可能とする教員の確保を」との緊急提言を提出。さらに自民党の教育再生実行本部と公明党の教育推進本部が「30人学級推進を求める決議」を採択するなど、少人数学級の推進が国民的世論となる中、とうとう政府も、来年度から5年間で、小学校に限って、40年ぶりに全学年で学級標準定数を35名にする決定をしました。

 いよいよ動き出しました。ここで議場のみなさんに訴えます。2度に渡って「25人程度の少人数学級の実現を求める決議」をあげた県議会として、本請願を採択し、中学・高校での実施を含め、少人数学級の更なる推進を求める声をあげていこうではありませんか。

 請願第32号は、「1年単位の変形労働時間制」導入の条例制定を行わないよう求めるものです。昨年、8時間労働制を崩し、教職員が長期休業中に休日のまとめ取りを行い、リフレッシュ時間を確保することなどを目的に、給特法が改正され、教職員にも「1年単位の変形労働時間制」導入が可能となり、県教委は2月県議会に条例を提案するとしています。

 しかし、休日のまとめ取り、リフレッシュ時間の確保というのであれば、現行、掲げている対策を実効あるものにしていけば、条例制定など必要ないことが、常任委員会審議で明らかになりました。「学校における働き方改革推進プラン」には具体的な取り組みが示されています。「長期休業中において、年間5日以上の学校閉庁日を設定する」ことや、連続した休暇の取得では、「週休日、休日等も活用しながら、1年に1度は1週間以上の連続休暇(ゆとりウィーク)を取得する」とされ、来年度には100%、すべての学校での実施を目標としています。問題は、これらの取り組みの進捗を県教委が把握すらしていないことです。今やるべきは、プラン等の全面実施に力を注ぐことです。8時間労働制の原則を突き崩す「1年単位の変形労働時間制」導入は断念すべきです。

 請願第33号は、国が核兵器禁止条約への署名・批准を行うよう意見書の提出を求めるものです。来年1月22日には条約の発効が確定し、人類は歴史的な一歩を踏み出します。それにしても情けないのは、日本政府です。唯一の被爆国でありながら、条約に反対し続け、署名・批准に背を向けてきました。「非核平和千葉県宣言」を持つ県議会として、本請願を採択し、条約への署名・批准を国に迫っていくべきであることを訴え、討論を終わります