
【2025年6月県議会】日本共産党 みわ由美県議 一般質問
日本共産党松戸市選出みわ由美です。党を代表し質問します。知事の政治姿勢、消費税について伺います。物価高騰に「買い物が怖い」「節約も限界」の声が溢れ、「消費税減税」の声が自民党内からも上がり政治の大争点に浮上しています。グラフ①のとおり、年収1500万円を超える世帯の消費税負担率は2・8%に対し、年収200万円以下の世帯は倍以上の6・3%。消費税は収入の少ない人ほど負担率が重く暮らしを直撃しています。伺います。こんなに不公正で、県民生活を脅かす消費税について、知事はどう認識していますか。
記者会見で知事は、一時的な減税では消費の減退がある等と減税に曖昧です。しかし、一律に、恒久的に実施すればデメリットなどありません。必要な財源は毎年15兆円規模。グラフ②③のように、行き過ぎた大企業への優遇税制や「1億円の壁」、所得1億円を超えると税負担率がガクンと下がる超富裕層への優遇税制等を正せば可能です。
伺います。今こそ物価高騰から暮らしと地域経済を守るため、恒久的で、一律の消費税5%減税を国に求めるべきではありませんか。

平和についても知事の姿勢が問われています。憲法9条は、戦争や武力の行使だけではなく、「武力による威嚇」も禁じています。しかし政府は2015年に「集団的自衛権」を前提とした安保関連法を強行し、2022年12月には敵基地攻撃能力の保有と、5年間で43兆円の軍事費の確保を含む「安保3文書」を閣議決定して、海外で戦争する国に大きく舵を切っています。ところが知事はこの流れに立ち向かうのではなく、戦争への道を政府と一緒になって進もうとしていると言わざるを得ません。
その最大のものとして、幕張メッセでの「武器見本市」の開催について先ず伺います。昨年2月県議会で、「武器見本市」で展示されているものが「武器」だと認めながら、「住民の福祉を増進するものであ」り「産業の振興等に資する」と答えました。驚くべき答弁です。伺います。そもそも人の命を奪う武器の売り買いで金を儲けること自体、憲法に反するものだと思いますが、いかがですか。
しかも知事は、X(旧ツイッター)で、「知事の恣意的な判断で貸し出さないとする法的根拠はない。そんな危険な社会で良いのか」などと書いています。平和を願う県民が知事に求めているのは、憲法と地方自治法にもとづいて判断してもらいたいというものであり、それを「恣意的」などと歪めて憲法を蔑ろにすることこそ、「危険な社会」への一里塚だと思いますが、知事の認識を伺います。
また知事は「この産業に従事する方々への職業差別にも当たる」などと見当違いのことを言っていますが、問題にしているのは武器関連企業や武器売買で懐を肥やす「死の商人」と呼ばれるような人たちを後押しして、莫大な税金まで投入している政治の在り方です。
さらに知事は「自分が気に入らないものを、法を超えて制限する世界の危険性を十分に理解してほしい」などと書いていますが、ほんとに情けない話です。「気に入る」とか「気に入らない」などという水準の話ではなく、問われているのは「戦争か平和か」であり、人の命がかかっています。資料2枚目をご覧ください。

伺います。幕張メッセの武器見本市が契機になって売買された武器が、ガザで子どもたちの命を奪っているかもしれない、その可能性についてどう考えているのか、ぜひお聞かせ頂きたい。
大きな権限を握っている千葉県知事にそういう認識が欠落している事自体恐ろしいことだと考えますがどうか。お答え頂きたい。
知事は、「今後も法治主義の行政として中立公正に運用していく」とXに書き、法律に基づき貸し出しているかのように描いていますが、武器見本市へのメッセの貸し出しが憲法9条や地方自治法に反するのは明らかです。法治主義というのであれば、まずは憲法を尊重し擁護することであり、その立場に立って武器見本市への幕張メッセの貸し出しを中止することだと考えますが、お答えいただきたい。
二つ目にオスプレイについてです。防衛大臣が、7月9日から佐賀に移転を開始すると表明しました。しかしオスプレイの危険性は変わらず佐賀に行けばいいというものではありません。2023年11月の屋久島沖での事故は、ギアボックスの破損と人的ミスが原因とされていますが、なぜ破損したのか故障の根本原因は特定できていません。深刻なのは、一昨年8月に陸上自衛隊のオスプレイでも同様の不具合が起きていることです。陸自オスプレイ17機は佐賀に移転しますが、木更津駐屯地にはオスプレイの定期整備場があり、これからも整備のためにオスプレイが飛行してきます。伺います。オスプレイが絶対に事故を起こさず、人命を失わないためには、運用停止以外にないと思いますが、どうか。
3つ目に統一協会についてです。県によれば、統一協会やその関連団体に幕張メッセを貸し出したのはこれまで2件あり、県は主催が統一協会関連だと知っていて貸し出してきました。しかし東京地裁が解散を命じたいま、統一協会やその関連団体、後継組織に、県有施設の使用は認めない、と明言すべきと考えますが、どうか。お答え頂きたい。
解散命令が出された犯罪集団に、密接にかかわってきた国会議員に対して批判の声が高まっています。マスコミ報道によれば、自民党の猪口邦子参議院議員や臼井正一参議院議員、小林鷹之衆議院議員などが統一協会関連団体のイベントで挨拶しています。豊田俊郎参議院議員にいたっては、韓鶴子総裁が「幸福は与えれば与えるほど大きくなる」などと高額献金を促す「お言葉」を述べた1万人規模のイベントに出席し、挨拶しています。政治家がこういう犯罪組織と関係を持ってきたことについて、同じ政治家として知事の認識をうかがいます。
次に県営水道料金値上げについて伺います。知事選挙中に知事は、県営水道料金値上げに関し、「誰が知事であっても料金見直しは避けられず」などと開き直り、言訳ともとれる発信をしていますが、まずこれについてです。
知事は、「選挙後に値上げを表明することも可能でしたが、私はあえて選挙前に値上げが不可避であることを議会で表明し、選挙に臨んでいます」と、知事選挙が水道料金値上げの信任選挙であるかのように述べています。しかし、選挙後のNHKの出口調査では、水道料金値上げに反対が46%と、賛成の26%を大きく上回っていました。さらに知事に投票した80%が水道料金値上げに反対とも報道されています。伺います。知事が選挙前に表明した水道料金20%値上げは、選挙を通じて県民の理解は得られたと考えているのか、どうか。
さらに、「地方公営企業法に基づき、経営に必要な費用は利用者の水道料金収入で賄うことが原則」と述べ、「水道事業の運営・修繕コストは大幅に増加し」、その結果「料金の見直しが避けられない」と、値上げは不可避であると正当化しています。
果たしてそうなのか。県は病院事業会計へ毎年のように赤字補填分として長期貸付を行い、東京都は一般会計からの水道事業会計への支出金を補正予算に計上しています。法に基づけば、県からのさらなる繰り入れ・貸付け・支出金等によって値上げを回避することは可能ではありませんか。お答えいただきたい。
5月29日の水道事業運営審議会で知事は、「令和8年度から5年間の収支見通しを算定したところ、初年度から収支の赤字や資金残高の赤字が見込まれること」から「安定的な収入が見込めるよう基本料金の割合を高めつつ」「料金水準と料金体系のあり方について」審議会への諮問を行いました。審議会資料には料金引き上げを18.6%とすることが明記されましたが、口径・使用量に応じた料金体系などは示されていません。知事は来年度から収支の赤字や資金残高の赤字が見込まれるとしていますが、現中期経営計画における来年度からの5年間の財政収支見通しでは、5年間の純利益は155億円、年度末資金残高100億円となっており、赤字など想定されていません。現中期経営計画の財政収支見通しは何だったのか、お答えいただきたい。
諮問では「基本料金の割合を高めつつ」料金引き上げを行うとしていますが、基本料金は使用量や所得にかかわらず納付するものであり、低所得者には重い負担となっています。
その割合を高めれば節水の努力をいくらしても料金が下がらない可能性が高くなるではありませんか。お答え下さい。
東京都は「物価高騰の影響により実質賃金がマイナスの状況が続く中、都民の命と健康と暮らしを守るため」「都民の光熱水費の軽減につながるよう、水道料金の基本料金を無償」とする特別措置を打ち出しました。知事、物価高騰が続く中、県民の暮らしを脅かす値上げはいったん白紙に戻し再検討すべきです。お答えください。
過大な将来需要に基づく、過大な投資を続けてきた問題について、2月議会で、八ッ場ダムや思川開発のムダ使いを指摘しましたが、「災害や渇水、水質事故が発生した場合においても安定的な水を供給するため、必要不可欠なものであ」り、「必要な水量を確保して」きたと答弁しています。では、災害や水質事故が発生した場合、あるいは渇水時に、どの程度の水量が必要だと推計しているのか。其々、その水量と根拠をお示しいただきたい。
さらに、新庁舎整備事業(2020年度から26年度)に、水道事業会計から36億円を投入するとしています。水道事業からなぜ負担するのか。千葉県水道事業、工業用水道事業及び造成土地管理事業の設置等に関する条例、第2条では「設置された水道事業は、県民に生活用水その他の浄水を供給する事業とする」と明記されています。県民の水道料金を主な収入源としている水道事業会計から、庁舎建設に投入するのは、水道事業設置に関する条例の目的外の資金投入ではありませんか。お答えください。
次に物価高騰対策について伺います。先ず、中小企業の賃上げについてです。先の2月議会でも求めましたが、県は「生産性の向上や価格転嫁などにより、賃上げの原資を確保できる環境を整備する」との答弁に留まりました。しかし東京商工リサーチの今年度賃上げに関するアンケート調査では、県内中小企業で賃上げ実施は80%。2年連続で賃上げをしたくてもできない中小企業が2割も残されています。知事はこの現状を放置してよいとお考えか。見解をお聞かせください。
現に岩手、群馬、奈良、徳島と直接支援は広がっています。緊急に賃上げへの直接支援にふみだすべきです。お答え下さい。
県民の懐を温めることと合わせ、負担を減らすことも重要です。今回は後期高齢者医療制度の保険料軽減について伺います。2020年度21年度の千葉県後期高齢者医療の保険料は一人当たり平均7万9596円でしたが、2024年度25年度は平均8万3927円と、改定のたび上がり続けています。伺います。マクロ経済スライドで実質的な年金額が減り、高齢者は切り詰めた生活を余儀なくされているのに、4年間で平均4,331円もの保険料値上げをどうお考えか。県として、財政安定化基金や、高齢者の医療の確保に関する法律に定める補助金の交付で、後期高齢者医療の保険料の値上げを抑制し、値下げに取り組むべきと考えるがどうか。
関連し教育予算増額について伺います。知事は自身の公式ホームページで知事就任の4年間で、「教育予算の推移」と題したグラフを示し、2021年度から24年度に1・5倍も大幅に増やしたと自慢しています。しかし、最大の課題、教員不足・教員未配置が残されたままで、これこそ大問題ではありませんか。
実際、2024年度末は425人もの未配置で、21年度同時期と比べ1・2倍以上も増えています。伺います。この現状をどう考えているのか。人件費含む教育予算も教員採用も抜本的に増やすことが、教員不足解消のカギと考えるがどうか。お答え下さい。
最後に、児童相談所一時保護体制の抜本強化と児童養護について伺います。2022年に県市川児童相談所一時保護課の児童指導員だった職員が、未払い残業代を請求し、県を訴えました。「過酷な職場で休職が相次いでいる。職員にも子どもにも良い環境を」と訴訟にふみきったものです。3月28日千葉地裁が、昼休み休憩や夜間の仮眠時間も労働と認め、支払いを県に命じる判決を下し、マスコミも「児相職場 過酷実態に風穴。県の安全配慮義務違反認める」と一斉報道。ところが知事は即日控訴しました。議会や県民に報告も説明も一切なく、市川児童相談所の意見も聞いていません。県にとって重大な判決内容なのに、判決の中身を検討する前に控訴を決めていた、改善するつもりなどなかったと言われても仕方ないではありませんか。知事の見解を伺います。
判決は、県の安全配慮義務違反についても厳しく断罪しました。県がなすべきことは控訴ではなく真摯な反省と検証、体制を抜本強化することです。4点伺います。第1は、市川児相の改善です。4月に訪問しましたが、驚きました。職員不足による過酷な労働実態です。職員からは「昼や夜間の休憩は難しい」「毎晩『宿直室』でなく廊下や添い寝で夜勤」「3月は28名定員に対し最大で65名を保護。布団は足りず、職員含め分け合ってる」と訴えられ、胸が詰まりました。伺います。こうした市川児相の一時保護所の状況は何の問題もないと県は考えているのですか。お答え下さい。
2021年に県は船橋労働基準監督署から休憩をとれていないと是正勧告を受け、原告には未払い賃金を払いましたが、他の職員には対応していません。ただ働きですか。

伺います。市川児相の他の職員の昼休憩や夜間の仮眠時間などの労働実態についても、判決ふまえ改めて調査すべきです。答弁を求めます。
第2は県内全ての児相の改善です。過酷な労働実態は市川だけではないとの訴えが相次いでいます。資料3枚目のとおり、昼も夜も休憩がとれていない等の実態は深刻です。
市川児相以外の一時保護所職員の労働実態についても改めて調査し、未払い賃金はきちんと支払うべきです。お答え下さい。
第3は職員の大幅増員です。職員を増やしても保護児童が増え追いついていません。昨年度の採用も児童指導員が40名、保育士が26名も不足です。今年度、一時保護所で何人の職員を緊急補充するのか、抜本的な職員増員で過酷な労働条件は改善すべきです。お答え下さい。
賃金手当等の引き上げも必要です。ところが県の児童指導員の調整手当てのレベルは、51年前から、保育士は59年前から改善されていません。県は全国的な人材不足と言いますが、東京や神奈川に比べ手取りが少なく、それが応募数が少ない要因の一つではありませんか。手取りを大幅に引き上げるべきです。お答え下さい。
第4は児童を巡る2つの課題の解決です。職員を増やしても一時保護の児童数が定員を大幅に超過しています。例えば昨年10月1日時点の一時保護児童数は全体で253名と過去最多、定員を82名も上回り過密は深刻です。県は今後、児相が増え改善すると言いますが、今の子どもには間に合いません。一時保護所を緊急に増設すべきです。お答え下さい。
また保護期間の長期化も深刻で、児童の平均在所日数は全国最長ワーストが常態化し、直ぐに児童養護施設等に措置すべき児童が33名も2月時点で待機。最長の児童は一年半近くも待たされ学校にも通えていません。一方、受け皿になる県立児童養護施設「富浦学園」は4月当初から6名も職員不足で1施設丸ごと閉鎖。児童の入所定員は76人なのに23名の児童が入所できません。緊急に県の責任で職員を確保し、児童を措置出来るほんらいの県立富浦学園に改善すべきです。お答え下さい。
以上、一回目の質問とします。
