新型コロナ「5類」移行にあたり、県民の命を守る責務を果たすよう申し入れを行いました

お知らせ

新型コロナ「5類」移行にあたり、県民の命を守る責務を果たすよう申し入れを行いました

日本共産党千葉県議団は熊谷俊人県知事あてに、新型コロナパンデミックを教訓をふまえ県民の命を守る責務を果たすよう申し入れを行いました。

【申し入れ全文】

2023年5月25日

新型コロナウイルス感染症の「5類」移行あたり
パンデミックの教訓をふまえ県民の命を守る責務を果たすよう求める申し入れ

千葉県知事 熊谷俊人 様

日本共産党千葉県議会議員団
加藤 英雄  丸山 慎一
みわ 由美  浅野ふみ子

 5月8日に新型コロナウイルスが季節性インフルエンザと同じ、感染症法上の「5類」に移行された。それに先立ち4月28日の千葉県新型コロナウイルス感染症対策本部会議にて、対策本部を5月8日に廃止することを決定し「新型コロナウイルス感染症対策に関する振り返り」(以下「振り返り」)をおこなった。
 新型コロナが「5類」に移行となっても、4月下旬より緩やかな感染増加傾向が続いており引き続き警戒が必要である。5月19日に厚生労働省が公表した感染者数は、「定点把握」に変更後で単純比較はできないとしながらも、「参考値」である前週の約1.4倍となっており、報道によれば国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長も「拡大する局面にある」と指摘している。
新型コロナ「5類」移行は医療支援の大幅削減、患者の負担増といった大きな問題を抱えている。検査や治療に対する公費負担の廃止は、受診控えや治療の中断、さらには感染症の蔓延と死亡者数の増大を招くこととなり、新たな爆発的感染拡大が懸念される。「第9波」を引き起こさないためにも公的支援の継続が求められている。
 これまでの3年間で公衆衛生・医療の体制があまりにも脆弱であったことが浮き彫りになった。感染の大波が来るたびに、感染しても入院治療が受けられず「自宅療養」を余儀なくされ、「自宅療養」の健康観察などが不十分で保健所がその機能を果たしきれない、等の事態に陥り、県内でも3900を超える人の命が失われる(2023年5月7日時点)痛恨の状況であった。県は「振り返りによって得られた教訓を踏まえ、今後の新たな感染症に備えるよう指示する」(第61回千葉県新型コロナウイルス感染症対策本部会議、知事の指示事項等)としている。しかし「振り返り」には、この3年間にとった対応・対策について述べられているが、保健所をはじめとした公衆衛生行政や、平時からの医療体制をどうすべきだったのか等の分析が不十分なものとなっている。県行政として3年間に浮き彫りになった課題を直視し、命を守る責任を果たさなければならない。
 新型コロナウイルス感染症の「5類」移行にあたり、さらなる感染拡大を予防し、拡大時には速やかに十分な手立てがとれるよう、次の事項について申し入れを行うものである。

【申し入れ項目】

1.感染状況の把握と分析について
(1)新型コロナ感染拡大の次なる大波を防止するため、県として感染状況を十分に把握・分析し、感染拡大時には速やかに対策がとれるよう備えておくこと。

2.新型コロナ患者への支援について
(1)受診控えや治療の中断を防ぐため、患者負担を元に戻すよう国に求めること。当面の間は県独自で支援を行うこと。

3.検査・ワクチン接種について
(1)感染が不安な無症状者の新型コロナ無料検査の再開。
(2)希望者へのワクチン接種を必要に応じて来年度以降も継続すること。

4.医療提供体制について
(1)医療機関への支援を継続し、入院に必要な病床を維持すること。
(2)入院調整を医療機関任せにせず、県行政として責任をもって行うこと。
(3)急性期病床を削減する地域医療構想を見直し、平時より十分な医療体制を構築すること。
(4)医師・看護師をはじめとする医療従事者の確保へ支援を行うこと。

5.感染防止対策と業者への支援について
(1)保健所数と人員体制の拡大・機能強化を行い、公衆衛生行政を拡充すること。
(2)科学的知見に基づく感染症対策の継続を県民・県内事業者に呼びかけること。中小事業者が感染対策を行うための支援を行うこと。
(3)感染対策を強化するためにも、医科・歯科診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス費を大幅に引き上げるよう国に求めること。


以上

申し入れ書を手渡す日本共産党千葉県議団(右2人目より、加藤英雄団長、みわ由美・浅野ふみ子・丸山慎一各県議)