新型コロナウイルス対策についての申し入れ(第二次)

提言・要望

新型コロナウイルス対策についての申し入れ(第二次)

千葉県知事 森田健作 様
   2020年3月19日 日本共産党千葉県委員会/日本共産党千葉県議会議員団

 国内外での新型コロナウイルス感染が拡大し、県内でも34名(18日現在)の患者が発生し、多くの人が不安を高めています。また16日に県庁で行われた県内商工団体、金融機関などの緊急会議ではイベント自粛や個人消費の落ち込みで観光や飲食店をはじめ多くの業種で売り上げが激変していることが明らかになっています。県民生活、経済が直面する問題は深刻さを増しています。
 しかも昨年の消費税率10%への引き上げや、台風災害からの復旧・復興の途上にある千葉県民にとっては、幾重にも重い負担を強いられ、まさに出口の見えない事態となっており、国及び県の強力な支援が不可欠であることは云うまでもありません。
国の対応をふまえつつ、現時点では、感染防止策と医療提供体制強化、突然の一律休校による子どもの居場所確保と保護者の不安解消、イベント等の自粛・中止で休職・休業を余儀なくされている方への給与補償、観光・中小企業の経営悪化などに対するこれまでにない強力かつ総合的な対策が求められています。
 わが党は、去る2月4日に貴殿に4項目の緊急申し入れを行いましたが、その後の感染の広がりが各分野へ及ぼしている影響の重大さに鑑み、また、県民から寄せられている声、実情をふまえて、以下の事項について、重ねて申し入れます。

【申し入れ事項】
1.正確な情報提供、感染拡大防止と医療体制確保について
①科学的根拠に基づく正確な情報提供に努めること。その際、感染者の人権に配慮しつつ、感染拡大を防ぎ、県民の不安を軽減するために必要な情報は最大限に公表すること。
②医師が必要と判断した場合の検査および医療・診療の体制確保の拡充をはかること。
③国民健康保険「資格証明書」世帯に対して、速やかな短期保険証発行などを徹底し、「受診抑制」が生じないようにすること。
④マスク、消毒液等は医療機関、高齢者施設、学校・学童保育など子どもが利用する施設、障害者施設などに不足が生じないようにするとともに、広く県民が入手できるよう努めること。
⑤民生委員やボランティアによる地域の「高齢者見守り」活動に対する助言、予防用資材の提供を行うこと。
⑥高度医療および地域医療を担っている公立・公的病院の再編・統合計画は断念すること。

2.一律休校にともなう子ども居場所確保について
①児童・生徒、職員の手洗い・うがいの徹底等の予防を前提に、その地域の感染者の発生状況などを見極め、学校現場の自主的判断による校庭・体育館・教室などの開放、学校再開など、柔軟な対応を行うこと。
②公園や図書館、公民館など公共施設を利用した子ども居場所確保に努めること。
③新学期も休校が続く場合、学校給食の施設や人員を活用して、希望する子どもに昼食を提供できるようにすること。
④学童保育所、放課後ディサービスなどへ、県独自の人員派遣・財政的支援を行うこと。

3.休校、イベントの自粛・中止による収入減対策について
①教職員や給食調理員など、公的施設で働く非正規職員の給与補償、就労維持を確実に行うこと。
②県独自に、各種興行の自粛・中止にともない、休職・休業を余儀なくされている関係者への支援、フリーランス等の収入減を補う上乗せなどを行うこと。
③貸付限度額引き上げ、無利子・無担保、貸付期間延長など生活福祉資金貸付制度を拡充すること。

4.経営が悪化している観光、中小企業・零細企業への支援について
①「セーフティネット資金」などの金融支援は、利子・信用保証料の全額補助、返済猶予を行うなど、より資金調達しやすい措置を講じること。
②中小企業事業主が負担する社会保険料の軽減を国に求めるとともに、県独自の支援策も行うこと。

5.実態調査と県民の不安に応える「総合相談窓口」の設置について
①感染防止・検査・医療、学校教育、生活費確保、経営維持など、県民への影響は多岐にわたっており、県として実態調査を行うこと。
②県民の相談に応じ、関係部署につなげるワンストップの「総合相談窓口」を、県の責任おいて、県庁内、出先機関など適切なところに設けること。

6.対策に必要な職員と財源の確保について
①国に最大限の財政負担を求めること。
②6月定例県議会での補正予算を待たずに、必要かつ緊急な経費は支出すること。その際の財源は、不要・不急な事業の予算は凍結・先送りなど必要な組み替えを行い、確保すること。
③新たな職員の採用、可能な部署からの移動を含め、新型コロナウイルス感染対策にあたる分野の職員を緊急に増員すること。

7、新型インフルエンザ特措法改正による「緊急事態宣言」について
新型インフルエンザ特措法改正による「緊急事態宣言」となった場合、知事は、外出自粛の要請、諸施設の利用制限・停止の要請、所有者の同意がない土地や建物の使用などが可能となる。同法には経済的損失の補償する仕組みもなく、自由と権利の制約の歯止めもあいまいである。このような人権を制約し、暮らしと経済に重大な影響を及ぼすことには加担しないこと。
以上