お知らせ
【2026年2月県議会】日本共産党 加藤英雄県議 代表質問
日本共産党を代表し知事に質問します。
まずは来年度予算案について伺います。長引く物価高騰が県民生活や中小・小規模事業者の生業を直撃しているいま、県の予算は何よりも県民の暮らしや中小業者の営業を支えることを最優先すべきと考えます。その視点から来年度予算の組み替え案を提案いたします。お配りしております一覧表のとおり、組み替え総額は約182億円、当初予算の0.8%ほどの規模です。
初めに増額する予算について、主なものを提案します。まず、物価高騰や災害などから県民の暮らしと地域経済を守るための予算の拡充についてです。物価高騰が長期化する中、価格転嫁もままならず、県内の事業所・企業の約2割が賃上げに踏み出せないでいます。岩手県に始まった、県独自の中小企業への賃上げ支援は、徳島、奈良、群馬、そして昨年は茨城県でも事業を行っています。
千葉県でも小規模企業が月一人1万円の賃上げを行った場合、県がその半額分を支援し、1社あたり最大60万円まで支給する仕組みを作れば、30億円で5000社への支援が可能です。賃上げ支援に千葉県でも踏み出すべきです、お答えください。
農家や漁業者も原材料や燃料費の高騰で打撃を受けています。約37億円あれば、販売農家に平均10万円、漁業者へは20万円の支援が可能です。実施すべきです、それぞれお答えください。
物価高騰に加え近年は災害級の猛暑が県民の命を脅かしています。7億円を予算化し、市町村と協力して生活保護世帯や低所得世帯を対象に、1世帯10万円を上限とするエアコン設置費用を助成すべきだと思うが、どうか。
いつ起こるか分からない災害への備えも万全にしなければなりません。5億円の予算で県内10か所の地域振興事務所にトイレカー等の配備が可能です。避難所の環境整備も急務です。防災備蓄を充実するため6千万円を追加し、予算額を倍にすべきです。それぞれお答えください。
避難所としても使われる県立高校体育館のエアコン設置に踏み出したことは一歩前進です。しかし、現状ではすべての高校に設置するのにいつまでかかるか分かりません。設置予定の2校も大風量スポット空調に留まっています。県立高校すべてに従来設置していたLPガスによる空調を設置すべきです。そのために、まず6億6千万円を投入し、県立高校121校の設計に踏み出すべきだが、どうか。
2014年の交通事故死者数は全国ワースト3、県民の命と安全を守るために信号機の設置は欠かせません。しかし、来年度は新設わずか5基分しか予算化されていません。新たに50基の信号機の新規増設を求めます。あわせてお答えください。
次に県民の日常生活を支える医療・介護分野などへの支援についてです。看護師の確保は急務です。看護師確保を強力にすすめるため、4億3千万円を追加し、保健師等修学資金貸付事業の貸付金額を倍にすることを提案します。県立保健所(保健福祉センター)の体制強化のために、支所も含め常勤保健師50人の増員のために3億3千万円の追加計上を求めます。介護職員の待遇改善のため、介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院の3施設に、それぞれ200万円の支援を行うのに必要な予算は13億2千万円です。保育士処遇改善事業も25億円を追加し、現行の補助額を倍加すべきです。それぞれお答えください。
暮らしを支える社会保障にかかわる予算の拡充も必要です。国民健康保険の未就学児童の均等割りの10割減免に必要な額は2億6千万円です。また、こども医療費助成は31億円で、中学3年生までの通院助成の拡大ができます。近隣県で行っている被爆二世への医療費助成は2千万円で厚労省が定める11障害に対する治療への助成が可能です。それぞれ実施すべきです、お答えください。
次に教育環境を改善するための予算についてです。教室不足、狭隘化が深刻化している特別支援学校は計画的な新設校の増設が必要です。3億円の予算で、新設校3校の整備・基本設計等に着手できます。教員未配置解消にむけ県独自に正規教員を100人増員するために必要な予算は6億2千万円です。それぞれ増額すべきです。お答えください。
では、これらの財源をどこに求めるのか。まずは不要・不急な公共事業の見直し・先送り、さらに、急ぐ必要のない事業はいったん凍結し、県民生活と地域経済の支援に最優先に振りむけるべきです。その視点から主なものについて提案します。


まず直轄事業負担金です。道路で108億7千万円、港湾で4億5千万円、河川で1億2千万円はそれぞれ、暮らしを後回しにしてまで急ぐ必要はなく先送りすべきです。さらに長生グリーンラインや北千葉道路などの道路ネットワーク事業の圧縮・先送りで5億5千万円。土地区画整理事業の一般財源からの繰り入れ12億7千万円も先送り、見直すべきです。海老川上流地区の土地区画整理事業への県補助2億6千万円も、治水上の問題が指摘されており凍結すべきと考えます。それぞれ、お答えいただきたい。
大企業の呼び込み型の政策は地元の雇用や経済効果も限定的です。立地企業補助金の31億9千万円、戦略的企業誘致の推進4千万円はそれぞれ見直しを求めます。
規制緩和によりかつてない大規模開発と企業呼び込みを行う「成田エアポートシティ構想」は根本から見直すべきです。同構想に基づく企業誘致調査に1億4千万円。県が直接産業用地を施行する2億円。道路ネットワークなどに連動した産業拠点づくりに5千万円。航空宇宙産業振興に3千万円。都市再生緊急整備地域制度を活用した都市計画等に7千万円。「フラッグシップ・エアポートシティ」開発に7千万円。これら予算は構想とともに見直すべきと考えるが、どうか。
来年度から実施される、こども誰でも通園制度は、安全面の懸念や課題が挙げられており見直しすべきと考えます。同制度の給付費1億8千万円と、実施する事業者への県独自の上乗せ補助約2千万円の見直しを求めます。お答えください。
以上、予算の組替えについて述べましたが。予算を組み替えることなく、財源を確保し実施できる事業についても提案します。
一つは私学助成です。来年度、国の制度として私立高校の授業料が無償化されます。これまで県が行っていた授業料減免補助、約14億円で年収250万円未満世帯への施設整備費無償化に踏み出すべきと考えるがどうか。
二つに、県営水道料金値上げについてです。値上げ中止を求める県民の声と運動が広がり、県も水道料金減免を行わざるを得ませんでした。しかし期間は4か月だけです。従量料金体系を根本から見直せば、一般家庭の値上げは回避できます。小口径契約の水道料金値上げ相当額を支援すべきと考えるがどうか。あわせてお答えください。
予算案についての最後に、大企業への法人事業税の超過課税を上限まで行えば275億円の新たな財源を確保することができることを申し添えます。
次に連続する物価高騰対策を含め、医療・介護への県独自の支援を求めて質問します。
まず、危機的事態にある医療機関への支援についてです。
「このままでは、ある日突然、病院がなくなります」との、病院団体の昨年の訴えは衝撃を与えています。しかし事態はいっそう深刻になっています。11月の東京都の調査で、都内の一般病院の74.8%が赤字。日本病院会は医業収益が赤字の病院は87%にのぼると公表しています。11月の厚労省の「医療経済実態調査」では、全体では病院の67.2%が赤字となっています。
1月、東京商工リサーチの調査では、2025年「病院・クリニック」の倒産が41件で3年連続して前年を上回ったことが明らかとなっています。
県内の医療機関の昨年度の収支実態はどうなのか。東京都では、地域医療の確保にむけた調査・分析のため、都内約620の病院を対象に「地域医療に関する調査」を行い、経営実態の把握に努めています。県も県内、286の病院の経営に関する調査を行うべきではありませんか、お答えください。
国は、医療機関の倒産・廃止などの事態が広がるなか、来年度予算案で、診療報酬本体の3.09%のプラス改定を行う方針を打ち出しましたが、これで充分とは言えません。
6病院団体は昨年9月、2026年度診療報酬改定率は10%程度が必要との声明を出し、11月に東京都は「診療報酬改定等に関する緊急提言」を示し、2026年度の診療報酬改定に際し、2024年度の医業収益のマイナス分などを考慮し、10%の本体改定が必要だとしています。県内の医療機関の経営実態に鑑み、県は次期診療報酬改定はどの程度が必要だと考えているのか、お答えください。
国は今年度の補正予算で「医療・介護支援パッケージ」を示しました。病院へは、基礎的支援として、1床あたり賃金分8万4千円、物価上昇分で11万1千円、さらに救急受け入れ加算などの支援を打ち出しています。6病院団体は今年度の補正予算では、1病床あたり50~100万円の支援を求めており、全国自治対病院協議会の望月泉会長は、政府の補正予算について、「補正予案は赤字全体を埋めるには至っていない」「赤字総額の2割~3割の補填に留まる」と述べています。
私は、東葛地域で366床を要し、常勤職員693名で運営している病院で「医療・介護支援パッケージ」の試算についてお話を伺ってきました。
1床8万4千円の賃上げ支援分はどうか。職員1人当たりにすれば6か月で4万4千円、月7,300円の賃上げにしかなりません。物価上昇への対応はどうか、物価上昇分と救急加算で1億3千万円が支援対象となりますが、これでは前年度の赤字分の25%程度にしかならないとのことでした。結局、そのしわ寄せは人件費に集中し、今年度の賞与・期末手当は昨年度より0.2か月少ない、年間2.5か月分しか支給されていないと話していました。この病院は、東葛北部地域で小児夜間救急を担う地域の中核的病院となっています。
国の補正予算における医療機関への支援は、これで充分だといえるのか、県の認識をお聞かせいただきたい。危機的状態にある地域医療を担う医療機関へ県も独自に直接支援を行うべきです、お答えいただきたい。
続いて介護事業への支援についてです。
サービス提供体制の崩壊という、介護制度の危機が進行しています。特に2024年度から訪問介護の基本報酬を削減したことが大きな打撃になり、2024年と2025年の介護事業者の倒産は、2年連続で過去最多を更新し、県内でも芝山町は訪問介護事業所がゼロとなり、事業所が1カ所しかない地域は5自治体まで拡大してきています。
政府は2026年度予算で、期中改定として介護報酬の2.03%のプラス改定の方針を打ち出しました。しかし一昨年に引き下げられた訪問介護の基本報酬はそのままにするという方針であり、これでは事態はいっそう深刻にならざるをえません。
この間、訪問介護事業所の関係者から現状についてお話を伺ってきました。
千葉市内で登録を含め42人のヘルパーさんで運営し、約180人の要介護者へのサービスを提供している事業所では、身体介護、生活援助など含め、1か月の訪問回数は延べ約2,013回程度になっています。2024年の訪問介護報酬のマイナス改定で、1回あたりの単位数が減らされ、改定前と比べれば、1か月で19万5千円もの赤字を強いられている実態が示されました。事業所からは「人材確保が困難だ。職員の高齢化から訪問件数が減少してきている」「職員の給与は上げたが、事業所の経費増加が運営を困難にしている」との話がありました。
流山市内でスタッフ30名で運営しているヘルパーステーションからは「ヘルパーさんの減少と、高齢化により1人あたりの稼働時間も減少し、1か月の稼働時間が1年ごとに100時間程度減少している」と直面している問題についての訴えがありました。
県は、報酬マイナス改定で、経営がひっ迫した事態となっている訪問介護事業所の実態をご存じか、認識をお聞かせいただきたい。
茨城県では、昨年、報酬マイナス改定分、約2.3%を補填する訪問介護緊急支援事業を立ち上げ、事業所の運営への支援を行っています。
県も、せめて訪問介護の報酬マイナス改定分程度の支援を行うべきではありませんか、お答えください。
次に、大規模災害時に県民の命と財産を守る県の役割、防災対策について伺います。
2024年の能登半島地震による災害関連死は直接死の2倍を超えています。いま改めて、災害対策は災害の発生を抑え、被害の拡大を防止し、命と生業を守るための予防対策を重視した政策に転換する必要があると私は思います。
昨年12月、中央防災会議が「首都直下地震の被害想定と対策について」を公表しました。都心南部でのM7.3の地震が発生した場合、首都圏で1万6千人から4万1千人という災害関連死が発生するという被害想定が初めて示されました。
内閣府も昨年7月災害対策基本法の改正、防災基本計画修正を行い、能登半島地震の教訓などから、「福祉的支援の強化」「避難の質的向上」「災害対応の具体化」などの方向を打ち出しています。その上に立って、災害関連死を生まないために、いま最も力を入れなければならないのは、避難所の環境整備など「避難の質的向上」や、医療や介護など平時のサービスが受けられる「福祉的支援の強化」だと思うが県の認識はどうか。お答えください。
まず避難所の環境整備などの質的向上について伺います。
修正された防災基本計画では、市町村における避難所環境を向上させるための備蓄について、細目にわたって明記されています。水、食糧、トイレ以外にも、適温の食事確保のための炊き出し用具や、安眠確保のためのベッド、入浴設備に洗濯設備、生理用品と実に15品目が列記され、備蓄量の目標は最低3日間、推奨1週間とされています。
そこで伺います。県内2306か所の指定避難所で、これら15品目を、最低目標である3日分確保されている避難所は、現在、どの程度あるのか。
備蓄物資の確保すべき量として、想定しうる最大規模の災害での想定避難者数に必要となる物資量とされていますが、現状では想定避難者数はどの程度と推計しているのか。
県の役割も明記されています。県は市町村が目標としている最低3日分の備蓄で、不足が懸念される物資を備蓄することとされています。
そのためには、市町村の備蓄状況や不足物資の調査が必要と思うが、いつまでに、どのように行うのか。県も市町村も、備蓄状況を年1回、「広く住民に公表するものとする」と規定されましたが、どのように住民に周知していくのか。あわせてお答えいただきたい。
大規模な災害が発生した場合には、物資の調達や輸送が平時の時のようにはできないという認識に立って、地域完結型の備蓄倉庫の確保が必要とされています。市町村とも協力し、県内各地に漏れなく物資が供給されるよう、県の防災備蓄倉庫(11か所)の増設、拡充が必要と思うがどうか。お答えください。
続いて、災害関連死を生まないために、災害時でも平時の医療・福祉のサービスが受けられる体制の確保についてです。
首都直下地震の被害想定の報告書では、「要配慮者は平時のサービスが受けられなくなり、災害関連死につながるおそれがある」と指摘されています。災害時に、障害者や医療的ケアを必要とする方、妊産婦、乳幼児、高齢者など、一般的な避難所での避難生活が困難な要配慮者を受け入れ、適切な支援をしながら保護する目的で設置されるのが、指定福祉避難所であり、この整備・充実は重要な役割を果たします。
県では、2024年6月時点で、公共・民間含め福祉避難所は1143か所が確保されていますが、問題は、バリアフリー設備や支援体制が整えられている、指定福祉避難所の指定がどこまで進んでいるのかです。
そこで伺います。県内の1143の福祉避難所のうち、指定済の指定福祉避難所は何ヵ所になるのか。指定済ゼロの自治体はどの程度あるのか。どのようにして指定福祉避難所の設置を拡充するのか。現在の指定福祉避難所の想定受け入れ人数はどの程度か。
過去の災害時、2019年の台風15号による被害が発生したとき、11市町村で47か所の福祉避難所が開設されています。この時、避難した人数はどの程度で、どのように医療・福祉のケアが行われたのか、お答えください。
県の「災害時における避難所運営等の手引き」では、医療機関との連携、医療措置の支援体制、福祉避難所への医師の派遣などを進めると明記されています。現在、確保されている福祉避難所で、医療措置の支援体制が整っている、あるいは協定などが締結されている避難所はどの程度あるのか。お答えください。
次に、千葉県において動きだしてきている、二酸化炭素を抽出、貯留するCCS事業について伺います。
千葉県内で進められている首都圏CCS事業は、東京湾沿いの京葉臨海コンビナートの企業が排出するCO2を、80kmにも及ぶパイプラインで房総半島を横断し、太平洋側まで輸送し、九十九里沖の海底の地下深くに圧入し貯留するという計画です。東京湾沿いで、CO2の分離・回収を日本製鉄が受け持ち、エネルギー開発企業であるINPEXと関東天然瓦斯開発の合弁会社・首都圏CCS株式会社が、CO2の輸送と貯留を行うとされています。パイプラインは、開削工事が約60km、シールド工事が約20kmで、直径73cmのパイプを敷設するとし、2030年から年間約120万トンを海底へ貯留するというものです。計画では、貯留後100年、200年のモニタリングが必要とされています。昨年9月、経産大臣は、法に基づいて九十九里沖を試掘の特定区域に指定し、1月に大臣は試掘の許可を下ろし、現在は法6条に基づく、知事との協議に入っています。
知事は、特定区域の指定に際し、「脱炭素化が困難な分野におけるカーボンニュートラルの実現にむけ重要な役割を担う」「京葉コンビナートを擁する千葉県にとって大きな前進」・「産業競争力の強化と地域の持続可能な発展に資する」と諸手を挙げて歓迎するコメントを発表していますが、はたしてそれでいいのか。
2024年、参議院経済産業委員会で行われた参考人質疑で、東北大学の明日香壽川(じゅせん)教授は、「石炭火力発電を前提としたCCS事業は、CO2排出を固定化し、脱炭素を邪魔して遅らせるものだ」と批判し、「2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを達成するためには、2030年までに大幅に減らさなければならない。2030年事業開始を目指すCCSとの整合性がない」と厳しく指摘しています。
知事は、これらの指摘をどのように受け止めているのか。認識をお聞かせいただきたい。
では、CCS事業の安全性の問題はどうか。
2020年、アメリカミシシッピ州でCO2パイプライン(径63cm)の破断事故が発生し、高濃度のCO2が噴出・漏洩し、住民200名が避難し、45名が病院搬送されるという事故が起こっています。事故の要因は、大雨の後、地滑りが発生し、パイプラインの溶接継ぎ手に過度の歪みが生じ破断したものとされているものです。
80kmもの、CO2のパイプライン輸送を、知事は安全だと県民に示すことができるのか。お答えください。
海底深くCO2を圧入すること自体、環境に大きな負荷を与えるもので、外房沖は、北の北米プレートへ、南からフィリピンプレートが沈み込み、さらに東から太平洋プレートが沈み込む、3つのプレートが重なる3重点で世界でも珍しい海域とされており、地震誘発のリスクも指摘されています。なのにCCS事業法では、試掘・貯留事業にあたっての事前の環境アセスの実施は義務づけられていません。適用外となっています。
国に環境アセスの実施を求めると同時に、県独自にも、パイプラインの輸送、CO2圧入による負荷、漁業など生態系へ与える影響など、環境アセスを行うべきではありませんか。事前に安全性や環境保全の観点から客観的に評価する体制が不可欠であり、国・県にその体制を作るべきだと思うが、どうか。あわせてお答えください。
事業概要の冊子には「パイプライン、貯留エリアとも地元関係者の十分な理解を得たうえで推進することが大前提」と明記していますが、この間の事業者の行った説明会は極めて限定的(7自治体9カ所)であり、これで関係住民等の理解と納得は得られたと県は判断しているのか、どうか。県を横断するパイプライン敷設は大規模な事業であり、事業者任せにせず、県主導で関係自治体・住民への説明会を実施すべきではありませんか。それぞれお答えいただきたい。
さらに問題なのは、事業費がきわめて不透明なことです。経産省は、大まかにCO2の分離・回収で2000億円、パイプライン80kmで500~2000億円、貯留で2000億円としていますが、200年から300年のモニタリングも含めれば、莫大な投資とならざるをえません。多額の税金投入が想定される事業であり、事業費の全体像を明らかにするよう、国に求めるべきです、お答えください。
CCS事業は化石燃料の継続的使用を容認し、温室効果ガスを排出し続けることを前提にしたものであり、いま株式会社JERAが進めている、天然液化ガス・LNGを燃料とする袖ヶ浦火力発電所建設計画はストップさせるべきではありませんか。いま必要なのは「化石燃料からの脱却」、CCSに頼ることは気候変動対策を遅らせかねないと、キッパリと事業の中止を求めるべきと思うがどうか。あわせてお答えください。
県の地球温暖化対策実行計画には、産業部門、製造業の温室効果ガス減目標が明記されていません。「各業界目標を責任をもって達成」と記され事業者任せになっています。CCSに頼ることなく、カーボンニュートラルにむけ、県の責任で産業部門の削減目標を設定すべきと考えますが、知事の見解をお聞かせいただきたい。
次に、建設労働者の確保・育成の決定打となる公契約条例の制定について伺います。
いま、建設労働者は減少傾向にあり、このまま推移すれば社会の要請に応えられない事態にもなりかねません。千葉県内の建設労働者数は、この10年間で2万3千人も減少し、年齢構成も29歳以下が占める比率は11・7%、一方で55歳以上は36・7%と高齢化が顕著になっています。
この要因は、これまでも指摘してきたように、長時間労働と低賃金にあります。建設労働者は労働時間は年間1943時間で、これは事業所全体よりも229時間も多くなっています。1日8時間で計算すると28・6日で、ほぼ1ヵ月分も長く働かされていることになります。
建設労働者の賃金はどうか。全産業の労働者よりも、年収で108万9千円も少なくなっています。1ヵ月も長く働いているのに、100万円も収入が少なかったら、建設現場で働こうという若者が減っていくのは当然ではありませんか。ここに建設労働者が減少している大きな要因の一つがあると考えますが、知事の認識をお聞かせください。
こうした状況を打開しようと、千葉土建労働組合など建設労働者自身が声を上げ、社会的な世論・運動が広がっていきました。そしてついに昨年6月、第3次担い手3法が成立し、12月12日に全面施行されました。改正の中心点は、賃金額として中央建設業審議会が、「労務費に関する基準」(標準労務費)を公表し、その実施を勧告することにあり、第1回目の基準が昨年12月2日に示されています。これまで、建設業では重層下請構造のもと、元請け、1次、2次と下請けに行くほど賃金は圧縮され、現場の労働者には、設計労務単価とはほど遠い賃金しか支払われないという状況が長い間続いてきました。今回の法改正は、これを逆転させて、まず現場労働者の受け取るべき賃金の額を国が公表し、労働者にその額以上の賃金が支払われる仕組みつくるところにあります。これは、これまでの商慣習を逆転させて労働者の賃金を確保しようという画期的な改正だと考えますが、知事はどう評価しているのか、お聞かせいただきたい。
第三次・担い手3法では、個々の技能労働者に、その経験や技術にふさわしい賃金が支払われるようにするため、公共工事や民間工事を問わず、すべての取り引きにおける工事請負契約で適正な労務費を支払うための原資を確保しなければならないとされています。
そのための一つが見積書の改善です。「材料費」「労務費」「法定福利費の事業主負担分」「建退共掛け金」「安全衛生経費」などの金額を明記することが強調されており、一人親方なども含め、内訳を明示した見積書の作成を求めています。これがなければ、見積もり段階で労務費が確保されているかどうか、判断できないからです。当然、県発注の公共工事でもこうした見積書を率先して適用すべきと思うが、どうか。お答えください。また、昨年12月12日以降の契約はこの規定に基づいたものでなければならないはずです。県の工事契約での実施状況はどうなっているか、お答えいただきたい。
勧告された「労務費の基準」では、建設業に従事する技能労働者の賃金について、「まずは早急に公共工事設計労務単価並みの水準の行き渡り確保により、他産業並み以上の水準への処遇改善を実現することを目指す」としています。公共工事の設計労務単価は、これまでも県の工事見積額の積算根拠となってきました。問題は現場の労働者に設計労務単価の金額が支払われていないところにありました。これを是正して、設計労務単価並みの賃金が受け取れるようにしようという今回の法改正の趣旨は、まさに画期的です。
これまで県は、「設計労務単価は、労働者への支払い賃金を拘束するものではない」として、設計労務単価と実際の賃金との乖離を放置し、通知を出す程度で、自らの責任を放棄してきました。こうした県の姿勢が建設労働者の減少という事態をここまで悪化させてきた大きな要因だと考えますが、県の認識をお聞かせください。
実際に、2016年時点では、千葉県の設計労務単価は日給2万4400円でしたが、千葉土建組合が行った賃金実態調査では1万6569円にしかならず、3割以上も少なくなっています。しかも2025年の調査では、3万2302円の設計労務単価に対し、賃金調査が1万9061円で、その差は4割以上とますます開いてきているのが実態です。設計労務単価を引き上げても、実効性ある対策を取らなければ、賃金に反映させることはできないことを鮮明に物語っています。税金を使って公共工事を発注してきた千葉県として、こうした事態について、どう認識しているのか、お聞かせください。また、これを放置してきた責任をどう考えているのか、お答えください。
法改正の意義は画期的ですが、残念ながらすべてが「努力義務」になっており、ここに最大の弱点があります。いま必要なのは、法改正の趣旨を生かせる実効性の確保です。
その一つとして国では、直轄工事において「支払われる労務費」と「実際に支払われた労務費」の比較を試行的に実施するとしています。県でも、県発注工事について、標準労務費の支払い実態調査を実施すべきではありませんか。お答えください。
今回の法改正の意義を生かし、弱点を克服して実効性を確保するためには、「努力義務」を義務化することであり、そのためにも公契約条例の制定がとりわけ重要であると考えます。全国で最も早く公契約条例を制定した野田市の条例では、設計労務単価の85%を賃金の最低基準にすえて、それを義務付けています。これが履行されていなければ、元請けや下請けが連帯して支払うこととしており、報告を求めたり、立ち入り調査権限も明記しています。調査に応じない場合には、契約の解除や損害賠償請求なども規定されています。長い間、建設業において形成されてきた構造を根本から変えようというのですから、県として踏み込んだ措置を取るべきで、もっとも効果を上げるのが、公契約条例の制定です。早急に検討を開始して、一刻も早く制定するよう求めるものですが、知事の決意をお聞かせください。
最後に、県立特別支援学校の過密化と教室不足について伺います。
今年度、2025年5月1日現在の特別支援学校の在籍者数は、6,506人と過去最多となりました。第3次特別支援学校整備計画は、2022年からの10年間、特別支援学校に通う児童生徒数は、2026年度が増加のピークで6,024人となる見込みでした。しかし、すでに整備計画の2年目で想定していた増加のピーク時を超え、6,072人と推計から大きく外れ、その後も児童生徒は増加し続け、教室不足、狭隘化はより深刻になり、学校運営はパンク寸前の事態となっています。
教育長、児童生徒数の推移が、整備計画から大きく乖離している現状を、いつから把握していたのか。なぜ、すぐに整備計画の見直しを行わなかったのか、それぞれお答えいただきたい。
わが党は、児童生徒が増加している学校の実態・現状について、県内の県立特別支援学校を視察しました。この学校は、1978年、32名で開校され、これまでの間に学区内で2校の特別支援学校が設置され、分校が新設されてきました。それでも、今年度は小学部153人、中学部63人、合計216人で、現在は過去最多の児童生徒数となっています。その結果、教室が足りずに図工室や作業室などの特別教室を次々と普通教室に転用しています。かつて音楽教室だったところは、多目的室と男子更衣室として使用し、部屋の一角に本棚が並べられ、「図書コーナー」も兼ねています。さらに女子更衣室とPTA室として使用しているスペースや、楽器を収納している部屋は、昨年度改修して普通教室に転用可能な状態となっていました。校内には「かつて特別教室だった」という普通教室が多く、プレイルームも含めて目いっぱい普通教室に転用しています。自立活動室だけは「ここだけは残して使っている」と校長が話されていました。安全基準が満たされず敷地内のプレハブ増築もできないとのことでした。
この学校は、第三次整備計画における整備計画の対象校には含まれてなく、学区内での新設校建設の計画もありません。教師集団の必死の努力と工夫で、限られたスペース内で、増え続ける児童生徒数への対応を余儀なくされていました。
教育長はこのような特別支援学校の実態をご存知なのか。教室不足と狭隘化の実態、学校の努力と対応など、現地を視察し、現状をつぶさにつかむべきだと思うが、なさるかどうか。県内の特別支援学校で263教室も不足している現状について、どのような認識をお持ちなのか、それぞれお答えいただきたい。
特別支援学校の過密化と教室不足は、人口急増地域では特に深刻になっています。
先の特別支援学校では、例年は小学1年生の入学は20数名程度で推移していましたが、今年は39人。来年は31人の見込みで、校長は「この傾向はしばらく続くだろう」と言っていました。
在籍者数の増加により慢性的な教室不足が続いている特別支援学校の教育環境を改善するため、最低の基準として位置づけられたのが、2023年4月に施行された特別支援学校設置基準です。小中学部は、1学級6人以下の学級編成とすることが定められていますが、私たちが視察した学校では、多くの学級で6人を超え、23人で2クラスという学年もあります。設置基準に則れば39の学級編成になるところ、29学級にせざるを得ない状況になっていました。
設置基準第1条では、編成や施設・設備などが基準より低下した状態にならないよう、この水準の向上を図ることに努めなければならない、としていますが、県内には既設校で設置基準に合致している学校は何校あるのか。基準に合致しない特別支援学校があることを、教育長はどう認識しているか。それぞれお答えください。
文部科学省の設置基準の公布等についての通知では、「設置基準策定以前に設置されている特別支援学校の編成並びに施設及び設備については、当分の間、設置基準によらないことができるとしているが、可能な限り速やかに設置基準を満たすこととなるよう努めること」とされています。先の特別支援学校の校長は、「このままいけばパンクするのは確実だと思う」と危惧し、「人口急増地域に、1つ新設校が必要だと思う」とも話されていました。千葉県では、既設校を含め、いつまでに設置基準を満たすことを目標としているのか、お答えください。
特別支援学校に通う児童生徒数が予想を大きく上回っているからこそ、県教委の責任で早急な対応が求められています。今の整備計画では、遅すぎます。前期計画が終わる2026年度中に、2027年度から5年間の後期計画の抜本的な見直しが求められます。特別支援学校に通う児童生徒数の推計の精度を高めること、そして、新たな特別支援学校の新設校を増やすことを真剣に追及すべきです。設置基準を満たさない状態は、子どもにとって明らかに不利益であり、必要な合理的配慮に欠け、障害者差別解消法にも反します。 特別支援学校の深刻な過密化と教室不足を解消するため、100人規模の新設校10校の設置を、直ちに具体化すべきではありませんか。お答えください。
以上で1回目の質問を終わります。




