
「緊急事態宣言」にともなう要請
2021年1月18日、日本共産党千葉県委員会と同千葉県議団は新型コロナウイルス感染症の急拡大で、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく2回目の緊急事態宣言が発せられたことに基づき、千葉県に要請を行いました。
全文は以下の通りです。
新型コロナウイルス感染「緊急事態宣言」にともなう要請
千葉県知事 森田健作 様
2021年1月18日
日本共産党千葉県委員会
日本共産党千葉県議会議員団
新型コロナウイルス感染症の急拡大が続き、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく2回目の緊急事態宣言(1月8日から2月7日)が発せられ、1月10日に千葉県を含む1都3県の知事は、国に対して感染拡大防止対策の「特段の措置」を要望した。
同要望にある飲食店への営業時間短縮協力金の財源確保と関連事業者への支援や、持続化給付金、家賃支援給付金、雇用調整助成金の延長・再構築など事業者への十分な支援、生活困難者への支援拡充、医療人材の確保などは、緊急かつ有効であり、国と県が連携して実施するよう求めるものである。
しかし現状をみると、医療関係者、高齢者施設等の関係者、飲食事業者、自治体職員、県民などが懸命に努力しているにもかかわらず、「宣言」後も感染拡大は減少するどころか、県内各地に医療機関や高齢者施設、学校などでのクラスター(集団感染)発生がひろがり、日々、最多の新規感染者を確認するなど「感染爆発」ともいえる深刻な事態となっている。
また、県内のコロナ患者用の病床使用率も6割を超え、重症者も増加し、病床ひっ迫が進行している。
検査の戦略的拡充など、感染急拡大を抑えるためのさらなる全面的な対策を講じなければ、いっそうの感染の蔓延、「医療崩壊」は必至であり、県民の健康と命、社会経済活動への影響は長期にわたる。今、まさに極めて重大な局面を迎えている。
そこで、以下の事項について、要請するものである。
【 要請事項 】
1.無症状を含め感染者を放置、見逃すことのないよう濃厚接触者(積極的疫学検査)に限定せず、集団感染のリスクが高い医療機関、高齢者施設などでの定期的な社会的な検査および、感染急増地域における網羅的な「面の検査」を実施する戦略的な検査体制・仕組みづくりを早期に確立すること。
2.感染追跡を行うトレーサーの確保、疲弊している保健所の人員増など体制強化のための緊急な特別の手立てをとること。
3.コロナ患者の入院病床を確保している医療機関だけでなく、通常の診療・治療を担っている医療機関へも、医療従事者の人件費を保障し、医療機関の経営を支える十分な減収補てんを行うこと。
4.自宅待機の感染者が容態の急変によって命を落とすことはあってはならない。軽度者、無症状者は、入院またはホテルでの療養を原則とし、自宅待機は、あくまで例外とすること。そのために、必要な臨時医療施設、ホテルを確保し、速やかに入所できる体制を整えること。
あわせて、現時点では自宅待機の感染者が多数いることから、過渡的な措置として、必要な食料品・日用品の欠くことのないよう対策を講じること。
5、県の要請に応じ、営業時間短縮を行う事業者への「協力金」を、事業規模や雇用者数に見合う内容に改善し、さらなる拡充を図ること。
今回の要請に関連して、1都3県の知事は1月15日、国に現行の特措法に基づく知事の要請・指示で事業者に対する権限強化の規定も設けるとともに、応じない事業者に対して、過料などの罰則規定を求めている。しかし特別措置法、感染症法・検疫法の「改定」で罰則を持ち込むことは、日本医学会連合も緊急声明で「罰則を伴う強制は国民に恐怖や不安・差別を惹起する」と指摘しているように、罰則を課せば、調査を行う保健所と対象者の間の信頼関係が壊れ、感染自体を隠す人が増えることは避けられない。
感染症の制御は国民の理解と協力が重要であり、刑事罰は、感染症対策にはそぐわず、むしろ逆行する。かつて、ハンセン病やエイズの患者が差別をうけ、著しい人権侵害が行われたことを繰り返してはならない。
いまやるべきことは、刑事罰や罰則ではなく、医療機関への減収補てんや自粛・休業した事業者が営業と雇用を維持できる十分な補償によって、安心して医療機関がコロナ患者を受け入れ、事業者も感染拡大防止に協力できるようにすることである、ことを申し添える。
以上

加藤英雄県議、みわ由美県議