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  【2018年12月県議会】日本共産党 加藤英雄県議代表質問◆2018/12/06)

 次に河川の災害対策について質問します。近年、異常気象の影響による経験したことのない記録的な雨量で、西日本豪雨災害に見られるような中小河川の氾濫や土砂災害などが起こっています。県内でも2013年10月の台風26号では、従来の観測を上回る大量の雨が短時間かつ広範囲に降り、一宮川など河川護岸の損壊は273カ所に及びました。その被害は甚大で、亡くなった方を含む多数の人的被害や、約5000家屋の床上・床下浸水被害などが発生しています。
 こうしたもとで昨年5月「千葉県大規模氾濫に関する減災対策協議会」が設立され、今年3月には「取組方針」を明らかにしました。その中では「県管理河川流域において大規模氾濫が発生することを前提として、社会全体で常に洪水に備える」とし、「施設では守り切れない大洪水は必ず発生する」との認識が示されています。
 現在、県管理217河川のうち、2016年度時点の時間雨量50ミリ対応の河川整備率は約6割となっています。昨年度行われた、全国中小河川緊急点検の結果、流下能力が不足している区間は、一宮川、大柏川、鹿島川など19河川、のべ7・8キロメートルにおよぶことが明らかとなっています。県は今年度から着手しているとのことですが、ことは急を要します。そこで伺います。流下能力不足区間の整備予算は優先的に確保し、具体的に整備を促進していく必要があると思うが、どうか、お答え下さい。
 洪水被害は最小限に留めなければなりません。そのためには住民への的確な情報伝達による、円滑で迅速な避難が何より求められます。そのための市町村からの適切なタイミングでの避難勧告発令などの発信は人命を守ることに直結します。集中豪雨の時、市長村の判断材料の重要な柱となるのが、水位計などによる河川の増水状況です。現在、河川に設置されている水位計は、本川を中心に63河川108カ所ですが、県管理河川の3割程度にすぎません。減災対策協議会の「取組方針」でも「水位計がない区間があり、情報提供が難しい」ことが減災対策の課題としてあげられています。ところが県は、これは「市町村から出た意見を掲載した」ものであり、「水位計は足りている」と言い張っています。おかしいではありませんか。いったいどちらなのか。水位計が足りなく、河川の洪水情報が適時伝わらなければ、市町村は何をもって情報発信の判断をするというのか、県の見解をお聞かせいただきたい。
 しかもおかしなことに、県は、足りていると言っている水位計について、年内に、市町村からのアンケートを取りまとめるとしています。その上で、県内15か所の土木事務所からの意見聴取を行うとのことですが、やることが逆さまです。河川の流下能力や、堤防の脆弱箇所、洪水の危険地帯など、日常的に地域内の河川の状況を掌握しているのは土木事務所です。ならば、水位計の必要性も含め、ただちに土木事務所の意見をまとめ、必要な対策を講じるべきではありませんか。お答え下さい。
 河川の氾濫で浸水する恐れのある老人福祉施設などを利用する「要配慮者」の避難も重要です。2016年の災害で、岩手県の高齢者施設で9人が亡くなったことを教訓に、昨年6月に水防法が改正され、施設に対して避難計画の策定が義務付けられました。施設を利用する高齢者や障害者を守るために職員配置や避難場所、移動手段などを定めるものです。国交省の調査では、今年3月現在、千葉県では588施設中76施設、13%で全国平均の18%を下回っています。県は、法改正されたばかりで、各施設へ計画作成の周知徹底に力を入れているといいますが、関東1都6県のなかでは一番遅れています。栃木は31%、茨城は29%です。県も認めているように、ネックになっているのは災害による危険が迫ったときの職員体制や、安全な避難場所とそこへの移動手段の確保などです。ぎりぎりの人員体制で運営している施設が多く、とくに夜間は困難が伴います。やはり施設任せでは避難計画の作成はすすまないし、その実効性も不確かなものになる恐れがあります。
 そこで、国に対して、災害時に対応できる人員体制確保への支援を求めるとともに、県としても施設の状況に応じた支援策を検討すべきと思いますが、ご答弁下さい。
 日常的に河川の状況を調べ、危険個所などをチェックしている土木事務所が果たしている役割は大きく、とりわけ、定期的な河川パトロールは極めて重要です。ある土木事務所は、年2回、梅雨どきや台風の季節の前後に各河川の上流、下流5キロ程度を4人一組で、右岸、左岸に分かれて、歩いて堤防の崩れや陥没などの有無を目視で点検し、転落防止用の柵のチェックなどもしています。ところが県は、こうした河川の安全性を確認する土木事務所の職員を、この8年間で52人も減らしてきました。土木工学や建築などの技術職だけをみても、34人も削減しています。その結果、現場では何が起こっているか。台風や集中豪雨の時には、ただちに現場に急行し、危険個所などの点検、現状把握が求められます。しかし現場に派遣できる職員がいない、現場に行けば、事務所が空になる、出るに出られない、これが土木事務所の現状だと伺いました。
 知事、これで、近年、大きな被害を出している河川洪水に対応できる人員体制といえるでしょうか。県は、土木事務所の職員体制の実情について、どのようにお考えか。マンパワーの充実は災害時の住民の安全確保に直結します。その仕事を担っている土木事務所の職員は、十分に確保すべきと思うが、どうか。お答え下さい。

 次に教育問題について伺います。初めに8月に発表された「学校における働き方改革推進プラン」についてです。
 まずこの「プラン」の基本目標についてですが、「プラン」では「週あたりの在校時間が60時間をこえる教職員を『ゼロ』にする」ことを当面の目標として掲げています。
 言うまでもなく教職員の所定労働時間は、1日7時間45分で休憩時間が45分、学校における拘束時間は8時間半となっています。
 拘束時間8時間半で、業務が完了する、子どもと向き合う時間もとれる、授業準備も行える、これを学校における本来の働き方として、「改革推進プラン」の基本目標とすべきだがどうか、お答えいただきたい。
 この「プラン」のもとになっているのが、15年前に作成された「教職員の総労働時間の短縮に関する指針」です。この時から教職員の長時間労働が問題になってきていました。
 「指針」に掲げられている課題の中で、唯一「必ず」と義務規定になっているのが、「週に一日は定時退勤日を設ける」というものです。しかし実態はどうか。15年間、定時退勤を実施してきた学校数はまったくわからず、教育事務所が行う学校訪問の聞き取りの項目にすら含まれていませんでした。「指針」は空文化しまったくの学校任せになっていたのではありませんか。
 そこで伺いますが、労働時間の短縮を目的にした「指針」に基づく、この間の取り組みについてどのように検証し、評価をしているのか。学校任せにせずに、「プラン」をどう実効性あるものにしていくのか。合わせてお答えください。
 どうすれば教職員の多忙化を解消し、真の「働き方改革」を進めることができるのか。そのためには多忙化の根本要因を取り除くことが必要です。
 昨年、10年ぶりとなる詳細な国の教員勤務実態調査が公表されました。10年前の調査と比べ、小学校では1日の勤務時間が43分増え、その内容を見ると、増えた時間の8割以上が授業、授業準備となっています。学習指導要領の改訂などによる授業時間などの増加が教職員の大きな負担になっていることがわかります。
 10年間で最も増えている授業時間、この増えた分の業務を軽減しようと思えば、どうするか。授業は教員しか対応できません。教員を増やす以外に軽減策はないと思うが、教育長の見解を伺います。
 国の調査でもう一つ明らかになったのは受け持ち児童数と勤務時間の関係です。小学校では受持ち児童数が少なく、学級規模が小さい少人数学級になっていけばいくほど、成績処理などの時間も短くなり、総勤務時間が減少していくことが明らかになっています。
 多忙化を解消し、総労働時間を減らす「学校における働き方改革」の要は、少人数学級を推進し、それに見合う教職員を増やしていくことにあると思うがどうかお答えください。
 次に、産休、病休などの替わりの先生が配置されない、いわゆる未配置問題について伺います。
 教員不足「定数に対し全国で600人」「本県105人、公表自治体で最多」と報道され、千葉県は全国でも際立った未配置の現状にあることが明らかになりました。
 今年の未配置は、異常な事態となっています。11月1日時点の未配置総数は141人で、昨年の2・5倍にもなっています。
 「講師の配置を進めている」と言ってきましたが、今年の教員未配置は集計し始めてから最悪の事態となっています。なぜこんな異常事態になっているのかお答えいただきたい。
 とりわけ深刻なのが産休・育休の替わりの先生が配置されていないことです。この時期、昨年は9人だった未配置が今年は35人、4倍にもなっています。現在の産休未配置は最長で6カ月にもなります。申請をしてから一年近くになろうというのに、いまだに配置されずに、学校現場に多大なしわ寄せが押し付けられた状態が続いています。
 私は産休未配置の問題で柏市内の小学校でお話を伺ってきました。この学校では9月2日から産休に入った教員の替わりの配置がなく、現在、教務主任がクラス担任を兼務しています。この方は昨年度に妊娠が分かった時点で産休の申請をしています。当然、市教委を通じて教育事務所にも報告されているはずです。さらに来年1月6日に新たに産休に入る教員がいます。この方は今年6月に産休の申請をしています。このまま未配置という事態になれば、3学期の大事な時期に教頭先生がクラス担任にならざるを得ないと話していました。22学級、26名の教師集団で運営されてきた学校組織が瓦解しかねない事態を招くことにもなりかねません。
 県内で現在申請されているだけで、今年度末までの産休取得見込み者は183人と推計され、当然これに見合う新たな代替教員の配置が求められます。
 産休代替教員の配置は、「教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律」に定められた県教委の義務であり、未配置は法を逸脱した行為です。教育長の認識を伺います。今までの延長では、膨大な未配置を生むことになります。特別の対策が必要になると思うが、県教委はこの異常事態にどのように対処するのか、具体的にお答えいただきたい。
 法第3条では「特別の教職員がある場合においては」として、休暇等補助教員や事故対策教員など、特別の教職員がいれば代替教員として配置することは可能だとしています。
であるなら解決策はもう明らかではありませんか。法が示すように年度当初から休職等に対応する、特別な教職員を一定数、県の責任で正規採用し、すぐに配置できる体制をつくることが必要なのではありませんか、お答えいただきたい。

 次に、つくばエクスプレス沿線巨大開発と街づくりについて伺います。
 TX沿線の区画整理事業は事業認可から、すでに20年が経過しました。事業の進捗とともに、駅前周辺には高層マンションが立ち並び、居住者が増え、流山おおたかの森駅周辺の区域では、すでに計画人口2万8600人を上回る、3万560人の居住人口となっています。
 一方でこの間、区画整理区域内に予定されていた学校用地が次々と返上され、住宅地や業務用地へと用途を変える事業計画変更が行われ、県もこれを容認してきました。
 そこで伺います。人口規模に見合って配置されていた学校予定地がなくなり、これで「家族みんなが快適なまち」を目指すとしてきた、将来の街づくりの基準が満たされるのか、お答えいただきたい。
 ことは学校建設の問題です。県内の学校教育の充実発展に責任を持つ立場にある教育庁との協議はどのように行われてきたのか、お答えください。
 流山市内の、TX沿線学区の小中学校では軒並み児童生徒が急増し、いわゆるマンモス校が次々と生まれ、いま大きな問題になってきています。
 文科省は小学校の適正規模を12学級〜18学級とし、25学級以上を大規模校、31学級を超える過大規模校は「速やかにその解消を図る」としています。
 すでに34学級、38学級という過大規模校が生まれ、さらに市が行った推計では、2023年度には、市内17の小学校のうちTX沿線の6校が過大規模校となり、うち4校は40学級を超える規模になるとも想定されています。
 TX沿線に出現している、超過大規模校について、教育長はどのような認識をお持ちか。
過大規模校への市教委の対応に保護者からも批判が寄せられています。市教委は市議会で「県の学級編成の弾力的運用で48学級まで容認」すると答弁し、保護者説明会では「48学級を超える学校については1学級を40人に戻す」などと驚くべき発言まで飛び出しています。
 これまで作られてきたルールも無視した、あまりにも無責任な発言ではありませんか。教育長はどのように対応するのか、お答えいただきたい。
 過大規模校の学校現場では、いま何が起こっているのか。先月、現場で苦労されている先生方からお話を伺ってきました。
 38学級、全校で1250人の規模となっている小学校では、校舎の増築が行われ、グランドが狭くなった中で運動会が行われました。当日は児童、保護者で混乱するため、保護者は基本、校舎2階デッキからの見学となり、子どもの競技の時だけ、グランドに降りて「学年優先エリア」とのぼり旗で指定された場所からの応援が許可されるという、驚くような運営となっています。
 1年生は8クラスで、校外学習はバス8台での移動となります。結果として4クラスごとの行動としましたが、学年がいっしょに行動することが困難な校外学習となっています。
 下校時間は、いっせいに子どもたちが外の歩道にあふれ危険が伴うために、時間差での下校の指導をしています。
 図書室の利用も、低学年優先で、学年別に利用時間が割り振られ、並んでいても時間内に本を借りられなかった児童もでています。
 さらに「トイレも、水道も足りない」「プールを利用する回数が少ない」などの声も寄せられました。
 一方、学校運営の中心となる教師集団はどうか。「クラス数が多く学年の一体感がない」「学年全体を把握できない」「ほかの教師の担任クラスが覚えられない」など声が出され、さらに教職員も増えたため、「職員室の電話回線が少なく、保護者への連絡も電話の順番待ちとなっている」など、信じられないような学校運営が行われていました。
 教育長は、こんな学校現場の実態をご存知か、このまま放置しておいていいのか。教育長、ぜひ学校現場に足を運んで現状を掴んでいただきたい、なさるかどうか。これで子どもたちの学びを保障し、自立を育む教育条件、環境が整っていると言えるのか、あわせてお答えいただきたい。ただちに過大規模校を解消し適正規模にするために、県教委はどのような指導・援助を行うのか、お答えください。
 開発によって、駅前から移転を余儀なくされた小学校は464人の児童でスタートし、今は1146人、2・5倍となり、開発区域内に新設された小中併設校の小学校では、695人が1250人に増えています。明らかに宅地造成を目的に鉄道建設と一体に県主導で進めてきた、区画整理・開発によってもたらされた人口増であり、児童の急増です。開発の弊害が、児童生徒の学習権を脅かすなど、断じてあってはならないことです。
 県の責任は重大だと思うが、知事の見解をお聞かせいただきたい。

 最後に、この夏、大問題になった県立学校へのエアコン整備について伺います。
 普通教室にエアコンが整備されていない県立高校について、来年度廃校になる1校を除く19校について、来年の夏に向けて、県費によるエアコン整備が実現し、98校の保護者負担についても県負担に切り替えると答弁がありました。この8年、生徒、教職員、市民団体などが繰り返し要求してきたもので、歓迎したいと思います。
残るは職員室などへのエアコンの整備です。いまだに県立高校88校、特別支援学校28校の職員室にはエアコンが整備されていません。教育長は年間4〜5校へ設置をしてきた、その「整備のペースを早める」と答弁したもののその内容は明らかにされていません。
 率直に伺いますが、生徒たちが学ぶ教室にはエアコンが整備され、一方、先生方の執務室、仕事場である職員室、管理諸室へのエアコンの整備率は、いまだに3割弱に留まっています。なぜこんなに遅れているのか、その理由をお示しください。
 7月に県教委が行った調査で、県立高校の職員室の最高気温は実に39・4度に達していました。知事が言う「災害レベルの暑さ」だったことを示しています。
 その猛暑の中での仕事を余儀なくされる教員は、まさに猛暑災害の被災者です。災害時に求められるのは、被災現場からの緊急避難と、生命、身体を守るための緊急措置を講ずることです。教育環境の整備、労働条件改善のためにも、来年に向け全職員室へのエアコン設置を決断すべきですが、お答えいただきたい。
 以上で一回目の質問を終わります。