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  【2018年9月県議会】日本共産党 寺尾さとし県議 議案・請願討論(2018/10/11)

 日本共産党を代表して議案・請願の主なものについて討論を行います。
 議案第1号は一般会計補正予算ですが、本会議で「来年夏に向けて、未設置校への整備について検討する」と答弁があった県立高校へのエアコン設置費用が計上されていません。他県では来年夏までの設置を表明している埼玉、栃木、茨城、長野、岐阜などで、9月議会で補正予算が計上されています。「来年夏」と表明した以上、追加議案という形ででも補正予算に盛り込むべきではないでしょうか。ところが常任委員会の審議では何を聞いても「整備について検討中」というばかりで、これでは来年夏に間に合う保証がありません。「災害レベル」の猛暑というなら最優先で対応すべきです。また総合流域防災事業など河川改修予算が「国の内示減」を理由に減額されていますが、必要な災害対策は県単独であっても実施すべきです。最も大事な災害対策予算が抜け落ちている補正予算を認めるわけにはいきません。よって議案第1号に反対いたします。
 議案第8号は千葉県再生土等の適正化に関する条例制定ですが、業者の違法行為によって深刻な被害に遭った住民からの訴えを受け、県が再生土の規制に踏み出したことは一歩前進です。ところが条例案では事業者に対して、許可制ではなく事前のチェックがない届出制となっており、500岼焚爾遼篶てについてはそれすら義務付けず、水源地などの立地規制や隣地地権者を含む周辺住民への同意規定もありません。さらに埋め立てられた再生土については定期的な土壌検査も義務付けないなど、残土条例よりも後退した内容となっています。再生土に関しては県内19市町が禁止を含む県よりも厳しい規制条例を独自に制定し、全国でも茨城県、群馬県が禁止、京都府、埼玉県など6府県が許可制としており、千葉県のように甘い規制に留めているところはほとんどありません。これで実効性が担保できるのか、現状では再生土埋立ては全面的に禁止すべきです。よって議案第8号に反対します。
 議案第13号はサテライト型養護老人ホームの本体施設に、病院や診療所、老人保健施設だけでなく養護老人ホームそのものも加えるとする条例改正です。しかしサテライト型では医師や栄養士などが、「入所者の処遇が適切に行われていると認められるときは置かないことができる」とされており、常勤でなければならない生活相談員と看護職員も常勤換算、つまり非正規職員で良いとされています。現場からは「緩和された職員数では、入所者への適切な支援は困難」という声があがり、看護師や生活相談員についても常勤配置を求める声が大きいにも関わらず、「効果的・効率的な事業運営」「本体施設との一体的運用」などという名目で基準を緩和することは許されません。施設を必要とする高齢者がきちんと入所できるようにすることこそ求められています。よって議案第13号に反対します。
 発議案第1号は千葉県文化芸術の振興に関する条例の制定についてです。本会議質疑でも、なぜ文化芸術の振興とは別個の概念である「郷土への誇りと愛着」が前文に盛り込まれたのかという疑問に対して、最後まで納得のいく答弁はありませんでした。質疑では「郷土への誇りと愛着を持つ」ことを県民に強制するものではないとしながら、伝統文化の担い手を育成し次世代に継承していくためには、県民が郷土への愛着を育み、誇りを持ってもらうことが大切だという答弁でした。さらには郷土への誇りと愛着が育てば、ひいては地域防災力の向上にも資するということまで言われました。こんなにも条例の意義や目的を歪めた議論はありません。文化芸術振興条例は、文化振興のための県の責務を明らかにし、その基盤整備を図ることにこそ主眼が置かれるべきであって、万が一にも「誇りや愛着」という人間にとって最も自由な心の領域に立ち入ることなどあってはなりません。よって発議案第1号に反対します。
 次に請願についてです。請願第96号は建設労働者に適正な賃金を保障し、建設産業の再生を求めるものです。千葉県の公共工事設計労務単価は今年度、全職種平均で25455円となり、2012年度に比べて7000円以上も引き上げられました。しかし全国建設労働組合総連合が行っている賃金実態調査では、全職種平均で14708円と設計労務単価とは実に1万円以上もの乖離があります。県はこの間、労務単価の引き上げに伴い県発注工事の契約金額を変更しているのに、肝心の労働者の賃金がどうなったのかについてはまともに調査すらしようとしません。全国でも最低水準にある社会保険加入を促進し週休2日を実施するためにも、本請願を採択し、建設労働者の願いに応えるべきです。
 請願第97号は幕張メッセでの武器見本市の使用を認めないよう求めるものです。県は「公の施設のあり方を定めた地方自治法や幕張メッセの設置管理条例に反しているとは言えない」と使用許可を正当化しますが、地方自治法も条例も日本国憲法の枠内にあります。憲法9条には「武力による威嚇又は武力の行使」が禁じられており、人を傷つけ、命を奪うことを目的にする武器を拡散するための見本市が憲法に反することは明らかです。条例で謳われている「産業の振興」、「文化の発展」、「国際化に資する」という幕張メッセの設置目的にも武器見本市は一つも当てはまりません。本請願を採択し、県議会として来年6月および11月に予定されている武器見本市には幕張メッセを使用させない意思を示すべきです。
 請願第98号は定時制高校夜間給食の再開と夕食費補助の拡充を求めるものです。今年度から定時制高校の夜間給食が廃止され代わりに「夕食」が提供されることになりましたが、1食500円程度の自己負担が重くのしかかり、生徒の利用率は24%程度と給食に比べて大きく減少しています。県は生活保護世帯と住民税非課税世帯に1食200円の補助をしていますが、面倒な補助申請の手続きも負担となり対象者の4割しか受けていません。昨年度、給食・夕食にかかった経費は1億2600万円であり、今年度の夕食費補助予算の2100万円を差し引いても1億円以上も定時制高校への支出を削ったことになります。昨年の喫食率である49%を目安に850人に補助を行ったとしても必要な予算は3000万円程度です。生徒たちが給食時と変わらない負担で夕食を利用できるように、せめてこれくらいの措置はすべきではないでしょうか。本請願を採択し、あわせて夜間給食そのものの復活も検討するよう求め、以上で討論を終わります。